【高松宮記念】ミッキーアイル95点 調教では身につかない天賦の才

[ 2016年3月23日 05:30 ]

「達眼」鈴木氏が95点と高く評価したミッキーアイルの馬体

 昨秋からの変わり身で短距離界の頂点へ――。鈴木康弘元調教師(71)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。「第46回高松宮記念」ではミッキーアイルを95点でトップ採点した。機能性に優れたボディーにパワーも加わり、14年NHKマイルC以来2度目のG1タイトルをつかむと評価した。

【高松宮記念】

 生まれながらにして備え持っている才能を「天賦の才」と言います。努力しても身につけられない天性の資質。ミッキーアイルの恵まれた飛節を見るたびにそんな言葉が頭をよぎります。他馬と比較すれば、その優れた飛節が一目瞭然でしょう。立派で頑丈。その曲がり方も深からず、浅からずの絶妙な角度です。飛節とはトモ(後肢)のパワーを受け止めて推進力につなげる最も重要な部位ですが、調教では鍛えることができない。「天賦の才」なのです。

 前駆に目を移せば、肩甲骨の傾斜、つまり肩の寝方が素晴らしい。前肢は肩甲骨の角度まで前に伸びます。斜めに寝た肩甲骨が大きなストライドを可能にしているのです。首差しも理想的。これらの部位も飛節同様に努力で変わるものではありません。「天賦の才」に満ちた馬体です。

 昨秋のスプリンターズS(4着)との違いも見逃せません。トモの筋肉量が増えて一層丸みを帯びてきました。これは日々重ねた調教の成果です。注文を付ければ腹袋がもう少しほしいところですが、春を迎えて毛ヅヤも良く、筋肉も柔らかい。立ち姿には力みも間延びもなく、適度な緊張感を漂わせています。昨秋スプリンターズSの馬体採点(90点)から5点アップの95点としました。昨年の同レースで100点満点をつけたストレイトガール(1着)は出走しておらず、高松宮記念連覇を目指した香港馬エアロヴェロシティは出走回避。飛車角を欠いた短距離戦線ではミッキーアイルが最上位です。

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