【共同通信杯】キングオブアームズ 1勝馬と侮るなかれ

[ 2016年2月10日 05:30 ]

台風の目になりそうなキングオブアームズ

 「第50回共同通信杯」(14日、東京)で台風の目になるのがキングオブアームズだ。米G1馬を母に持つ藤沢和厩舎の大物3歳馬。未勝利戦の勝利から一足飛びの重賞挑戦で、クラシックロードに参入する勢いだ。

 素質は時に実績を凌駕(りょうが)するという。ディープインパクト産駒らしい軽いフットワーク。3歳冬の若駒とは思えない大人びた身のこなし。「2歳の入厩時から手が掛からない馬だった。厩舎でもかなり期待していたが、ようやくしっかりと動けるようになった」。キングオブアームズの調教が終わると、担当の津曲助手は膨らむ手応えを口にした。

 デビュー3戦目の前走で初勝利を挙げたばかりとはいえ、そのレースぶりは圧巻だ。小回りの中山で4コーナー後方12番手。絶望的な位置から馬群の外に持ち出して並ぶ間もなく差し切った。ゴール前では手綱を押さえる余裕。「凄い脚。やっぱり能力は高い」と手綱を取った柴山が振り返る。

 母は米G1アップルブロッサムH勝ち馬で米オークス2着のアーマイン。13年セレクトセールで税込み9870万円の高値がついた。「今までいい馬をたくさん預からせてもらったが、相当な馬だと思う。賢くて体もしっかりしている」。デビュー前から藤沢和師も高く評価し、スピルバーグ(引退)などオープン古馬相手の稽古を課してきた。「体力がついて、脚取りが力強くなった。今後を占う意味でも楽しみな一戦」と津曲助手。一足飛びの重賞トライから目が離せない逸材だ。

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2016年2月10日のニュース