【フェアリーS】3番人気ビービーバーレル圧逃V!中舘師重賞初制覇

[ 2016年1月12日 05:30 ]

鮮やかな逃げ切りでフェアリーSを制したビービーバーレル(左)

 ビービーバーレルが鮮やかな逃げ切りで桜花賞候補に名乗りを上げた。「第32回フェアリーS」が11日に中山競馬場で行われ、3番人気のビービーバーレルが逃げて1馬身3/4差の快勝。管理する中舘師ともども重賞初制覇を飾った。騎手時代に個性派ホースとのコンビで知られた師が送り出すスター候補が、春の牝馬戦線を盛り上げる。

【レース結果】

 内ラチ沿いを真一文字。ビービーバーレルの背中で懸命に手綱をしごく石橋の姿が、騎手時代の中舘師と重なって見えた。後続に馬体を並べさせない鮮やかな逃げ切り。12年天皇賞・春(ビートブラック)以来の重賞制覇となった石橋は「長かったので…。うれしいです」と感慨深げに話し、中舘師は「強かったですね。ジョッキーもうまく乗ってくれた」と鞍上を称えた。

 好枠からスタートを決めてハナヘ。マイペースに持ち込んだ。直線入り口では2番手のクードラパンが迫ってきたが、スムーズに加速して逆に差を広げた。「(中舘師とは)逃げてもいいかなとは話していた。いいリズムで最初のコーナーを回れたので、そのリズムを切らさないように乗った」と石橋。終始余裕のある逃げ切りだった。

 “逃げの中舘”らしい重賞初Vだ。騎手時代にツインターボ、アストンマーチャンなど逃げ馬とのコンビで沸かせた師は昨年3月に開業したばかり。昨年1月の引退式では「個性的な馬を育てたい」と抱負を語っていたが、1年足らずで育て上げた。「重賞初勝利はまだ漠然として実感が湧かないけど、今年まだ勝っていなかったので一つ勝ったことがうれしい」と冷静に話したが、逃げ切り濃厚のゴール前も勝利を確信できなかったという。「後ろから来るような気がしちゃって。現役時代は大丈夫と思って乗っていたけど、見ている方の気持ちになると違いますね」と照れ笑いを浮かべた。

 未勝利Vに続き2勝は共に逃げ切り。それでも師は逃げ馬とは思っていない。「これまでは競馬が上手すぎてかえってスムーズな競馬ができなかった。ゴチャつくよりは後悔のない競馬をしたかった」と今回の作戦を振り返った上で、「器用さがあって、どういう競馬でもできる馬」と自在性を強調した。

 今後の具体的なローテーションは未定だが、春の目標はもちろん桜花賞(4月10日、阪神)になる。師とのコンビで“女傑”と呼ばれた外国産馬ヒシアマゾンが、当時は出走を許されなかった桜の舞台。師は「どういうローテを組むか、楽しみでもあり、課題でもある」と表情を引き締めた。

 ◆ビービーバーレル 父パイロ 母ファインディンプル(母の父シルヴァーホーク)牝3歳 美浦・中舘厩舎所属 馬主・坂東勝彦氏 生産者・北海道浦河町の絵笛牧場 戦績6戦2勝 総獲得賞金4792万4000円。

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