【東京大賞典】サウンドトゥルー“音速差し”でG1初制覇!!

[ 2015年12月30日 05:30 ]

<東京大賞典>サウンドトゥルーでレースを制した大野拓はスタンドの声援に応える

 新王者の誕生だ。ダート戦線の総決算「第61回東京大賞典」が29日、大井競馬場で行われた。3番人気のサウンドトゥルー(セン5)が差し切りG1初制覇。急成長を遂げた一年の最後を最高の形で締めくくった。史上最多のG1・10勝目を狙ったホッコータルマエは2着。1~5着をJRA勢が独占した。

 暮れの大井でニューヒーローが誕生した。最後の直線、サウンドトゥルーが大野の右ムチに応えて鋭く伸びる。前を行くホッコータルマエとの差を一完歩ごとに詰め、残り50メートルで先頭へ。最後は1馬身3/4差をつける快勝だ。

 大野は左手で小さくガッツポーズ。東京大賞典初騎乗の鞍上は11月のJBCレディスクラシックを同じ高木厩舎のホワイトフーガで制しており、今年は大井でG1・2勝。「これまではテレビで見ている立場だったが、こうして勝つことができてうれしい」と会心の笑みを浮かべた。

 レースは逃げるコパノリッキーをホッコータルマエがぴったりマークする展開。中団で速い流れに乗り切れず、3角手前で早々と鞍上の手が動いた。しかし、そこからが末脚自慢の真骨頂。大野は「展開は向いていると思ったが、追走に苦労した。それでも気合をつけたら食らいつこうという格好を見せていたし、長く脚を使ってくれた」と愛馬を称えた。

 この秋はJBCクラシック2着、チャンピオンズC3着。「ここ2戦は悔しい思いをしていたし、直線は力が入った」と高木師。惜敗続きに終止符を打ち、ついにG1タイトルを手に入れた。1年前にはまだ1000万下で惜敗していた馬。師は「馬が柔らかくなって反動が出なくなってきた」と飛躍の一年を振り返り、大野も「強い相手と戦って力をつけてきた。一戦一戦強くなっている」と成長に目を細めた。

 今後は未定だが、芝スタートが苦手なためフェブラリーSには向かわない見込み。春は交流G1、秋はチャンピオンズCが目標となる。チャンピオンズC3着→東京大賞典Vはくしくもこの日、下したホッコータルマエの2年前と同じ。来年のさらなる活躍は約束されたも同然か。大野は「来年は受けて立つ立場。人馬ともにさらにパワーアップして頑張りたい」と意気込んだ。有馬記念に続いて関東から登場した新星が、16年も競馬を盛り上げる。

 ◆サウンドトゥルー 父フレンチデピュティ 母キョウエイトルース(母の父フジキセキ) セン5歳 美浦・高木厩舎 馬主・山田弘氏 生産者・北海道新ひだか町岡田スタッド 戦績32戦8勝(南関東3戦2勝) 総獲得賞金2億9715万4000円。

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