【阪神JF】桜の主役だ!1番人気メジャーエンブレム完璧戴冠

[ 2015年12月14日 05:30 ]

直線で抜け出すメジャーエンブレム

 2歳女王決定戦「第67回阪神ジュベナイルフィリーズ」が13日、阪神競馬場で行われた。4コーナー手前で先頭に躍り出た1番人気メジャーエンブレムが、2着に2馬身差の完勝でG1初制覇。管理する田村康仁師(52)は開業18年目で悲願のG1初制覇。鞍上のクリストフ・ルメール(36)は今春JRA移籍後、初のG1優勝となった。

 完璧な強さ。メジャーエンブレムは1番人気に堂々と応えた。抜群のスタートを切ったが、外のキリシマオジョウがハナを主張すると下げた。3コーナー手前でオジョウが外に膨れたののにも冷静に内で対処し、4コーナー手前でメジェルダの内を突き、早々と先頭へ躍り出た。474メートルの長い外回りの直線は独り舞台。2着ウインファビラスに2馬身差の完勝だった。

 新馬から乗り続けるルメールは今春JRA移籍後、念願のG1初制覇。「小牧さんの馬が行って追いたがったけど、ちょっとだけ。(抑える)指示してからはリラックスして走った」。流ちょうな日本語を駆使し、笑顔を弾ませた。行きたがって、惜敗したアルテミスS(2着)の二の舞いはできない。他馬に惑わされず、完璧な制御。昨年11月京都で内ラチに接触する落馬で、複数箇所の骨折を乗り越えた鞍上は「凄くうれしい。1年前事故はあったけど、これでJRAのジョッキーになれました」と胸を張った。

 田村師は開業18年目で悲願のG1初制覇。「うれしいです。諦めず頑張って良かった。18年間は短かった」と感激に浸った。入厩時から、自慢の秘蔵っ娘(こ)。「2歳牝馬なのに古馬の男馬のような風格。調教でもオーバーワークにならないように注意した」と指揮官。大事に育てつつ、突っ走ったアルテミスSの教訓を糧に馬の後ろで制御する鍛錬を施し、それが全て実った。

 田村師は重賞2勝のレジェンドテイオー(87年天皇賞・秋2着)などを管理した父の駿仁元調教師を追って競馬の道へ。「何も言わず、常に見守ってくれるような人。親父は(平地の)G1は最高2着で勝てなかったので…。親孝行できたかな」と目を細めた。

 これで、父ダイワメジャーの初の2歳リーディングサイヤーは確定的。メジャーエンブレムは来春桜花賞の最有力候補へ躍り出た。ルメールが「彼女はクラシックを勝てる馬。もう少し長い距離もいける」と称賛すれば、指揮官も夢舞台に思いをはせた。「実は第1回の桜花賞(ソールレデイ=39年)は祖父(田村仁三郎師)が管理したんです。春はもっと強い馬も出てくる。しっかり育てたい」。桜がほころぶ4カ月後の同じ阪神は、親子3代の夢をつないだ大舞台となる。

 ◆メジャーエンブレム 父ダイワメジャー 母キャッチータイトル(母の父オペラハウス)牝2歳 美浦・田村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦3勝 総獲得賞金9466万2000円。

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