【チャンピオンズC】ミルコマジック!12番人気サンビスタ史上初牝馬V

[ 2015年12月7日 05:30 ]

優勝したサンビスタ(手前左端)。右端は2着のノンコノユメ

 ダート最強馬決定戦「第16回チャンピオンズカップ」が6日、中京競馬場で行われた。12番人気のサンビスタがM・デムーロの鮮やかな手綱さばきに導かれ好位から抜け出し史上初となるJRAダートG1の牝馬制覇を達成した。牝馬はこのレース延べ18頭目の挑戦で初制覇、昨年のこの馬など3頭の4着が最高だった。またフェブラリーSもG1昇格後、牝馬の優勝はなかった。

【レース結果】

 6歳牝馬が歴史を塗り替えた。過去15回で牡馬しか馬券に絡んでいなかった一戦はサンビスタが男勝りの力強いパフォーマンスで快勝。道中は中団で脚をためると直線、手応え通りにグイグイ伸びて豪快に突き抜けた。レース後、検量室前は厩舎関係者やオーナーサイド、生産者らで歓喜の輪が出来上がる。そこにM・デムーロが満面の笑みで飛び込んだ。

 「気持ち良かった。とてもうれしいです。本当によく頑張ってくれました」

 枠順は4番。初コンビを組んだ鞍上が内の絶好枠をフルに生かした。五分にゲートを出て道中は内ラチ沿いピッタリのコース取り。じっと勝機をうかがった。4コーナーでジワッと外へ。そこで進路を確保すると直線、完全に視界が開けていた。

 「おとといのゲート練習とキャンターで初めてまたがって凄くいい馬だなと思ったし、状態の良さを感じた。パドックで角居先生からこれまで牝馬は4着までしか来ていないレース、と言われたけど僕は心の中で勝ちたいと思っていた。道中はずっといい手応え。直線で抜け出すのが少し早くて物見したけど、しっかり伸びてくれた」

 昨年4着に続いて2年連続の参戦。一つ年を重ねても能力に衰えは一切なかった。これが今年9戦目。体質が強くなり、体調が安定しているからこそコンスタントに実戦を重ねることができた。日々の積み重ねが実を結んだ勝利でもある。

 「牝馬はフケがあったりで体調を安定させるのが難しいけど競馬への前向きな姿勢は変わらない。上積みはどうかと思うけど、つくることに関しては難しい年ではなかった。直線は久々に絶叫した」と角居師。

 牡馬との統一ダート女王として迎える次走は東京大賞典(29日、大井)が候補になる。「そろそろお母さんになる準備をしないといけないけど来年の春までにあと1、2戦はできそう。オーナーサイドと相談してからだけど牡馬とこれだけやれたし、使うならそこかなと思います」と見通しを語った。競走馬としてのゴールはもう少し先。最後の最後までチャレンジし続けていく。

 ◆サンビスタ 父スズカマンボ 母ホワイトカーニバル(母の父ミシル)牝6歳 栗東・角居厩舎所属 馬主・ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 生産者・北海道新ひだか町グランド牧場 戦績28戦11勝(うち中央17戦6勝) 総獲得賞金3億7625万7000円。

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