【ステイヤーズS】アルバート、驚異ぶっちぎり重賞初V

[ 2015年12月6日 05:30 ]

<ステイヤーズS>レースを制したアルバート(左端)

 師走の名物マラソン重賞「第49回スポニチ賞ステイヤーズS」が5日に中山競馬場で行われ、リーディング首位を走る堀厩舎のアルバートが1番人気に応えて快勝。4連勝で重賞初制覇を飾った。優勝馬の関係者には河野俊史スポーツニッポン新聞社代表取締役社長から表彰状が授与された。

 クールな名手が満面に笑みを浮かべながら引き揚げてくる。開口一番「凄い勝ち方。直線はわずかに空いた馬群をこじ開けてきた」と話すと、「きょうはアルバートと共に3周楽しませてもらった」と再び表情を崩した。

 道中、先頭が頻繁に入れ替わる出入りの激しい展開になった。そんな流れにも惑わされることなく、後方10番手をじっくり追走。最後の直線でエンジンを点火させると驚異の加速。3000メートルを走った後とは思えないメンバー最速の末脚(3F35秒0)で馬群を突き抜け、後続に5馬身差をつけた。

 「長い距離なので、できるだけロスなく走らせることを考えた」とムーア。その傍らでは、林正道オーナーが顔を紅潮させている。「まさか4連勝するなんて。(8月の札幌で)モレイラが乗ってから馬が変わったと思う。距離は長いとこがいいと言ってくれたのも彼なんです」。香港のトップジョッキーの騎乗をきっかけに500万、1000万、準オープン、そして重賞と4連勝。05年ダービー2着インティライミのおいっ子にあたる血統がついに開花した。

 堀厩舎はこの日4戦4勝(中山3勝、中京1勝)で、通算400勝も達成。年間重賞Vは自己最多の8勝となった。林オーナーは「しっかりと力を蓄えさせるから(古馬になってからも)活躍できる厩舎。私の持ち馬をもっと預けたいけど、なかなか馬房が空いていない」と笑う。同厩舎のモーリスも4歳になった今年5連勝で春&秋のマイルG1を制した。

 次走についてオーナーは「有馬記念は日程的に厳しいかもしれない。来年の天皇賞・春を目標にしたい」と明言。これまでマイル戦線での活躍が目立った堀厩舎に、長距離戦線にも新星が誕生した。

 ◆アルバート 父アドマイヤドン 母フォルクローレ(母の父ダンスインザダーク)牡4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・林正道氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績16戦6勝 総獲得賞金1億2493万9000円。

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