【スプリンターズS】“香港の刺客”リッチ ルメール手応え「さすが」

[ 2015年10月2日 05:30 ]

ルメールを背に中山の芝コースで追い切るリッチタペストリー

 秋のG1開幕戦「第49回スプリンターズS」の出走馬が1日、決まった。中山芝コースでは香港から挑むリッチタペストリーが木曜追い。初コンビのルメールを背に単走で力強く駆け抜けた。昨秋、米国でG1制覇を飾った“香港の刺客”は初の日本の環境に慣れ、絶好の仕上がり。10年ウルトラファンタジー以来、5年ぶりの外国馬Vの期待が集まる。なお同レースの枠順は2日に確定する。

【スプリンターズS】

 香港から挑むリッチタペストリーがその姿を明らかにした。初コンビのルメールを背に実戦と同じ中山芝の外回りコースの4F標識手前で発進。直線半ばでゴーサインが出ると、シャープに力強く反応し、馬なりで4F53秒5~1F12秒8をマークした。

 ルメールは「さすがは世界を駆け回るトップスプリンターだ。馬も(レースでなく)調教だということを認識していたし、少しプレッシャーをかけたラスト1Fの反応も良かった。仕上がっているし、これ以上は必要ない状態」と既に戦闘態勢に入った愛馬に目を細めた。

 昨秋サンタアニタスプリント選手権S(ダート6F)でG1初制覇を飾り、今春はドバイ→シンガポールを転戦。前走・クリスフライヤー国際スプリント(5着)では1着エアロヴェロシティ(今春の高松宮記念V)と0秒7差に健闘。同行したジャスティン・クラーク助手は「もともとリラックスしていて、たくましい性格。だから輸送に強い」とアピール。環境の変化にも動じないからこそ、スプリント王国・香港の底力が不気味さを増している。

 日本を熟知する新パートナーも魅力。スプリンターズSに限っては有力馬の依頼がなく、C・チャン師とルメールの共通の知人を介してのオファーに乗った。同馬の主戦だったドゥルーズは同じ仏出身で親交も深く、電話で特徴を確認する熱の入れよう。ローズS(タッチングスピーチ)→神戸新聞杯(リアファル)と2週連続重賞Vと好調の鞍上は「乗りやすい馬で100%の力を出すタイプとのこと。実際、けさの感触もそうだった。ペースが速ければ2頭ぐらい前に置き、遅ければハナも。オプションは多そう。十分にチャンスはある」と万能型の印象を得ている。勝てば、ルメールは今春JRA移籍後のG1初制覇。香港の刺客への注目度は増す一方だ。

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