【札幌2歳S】アラバスター 松田博師ラスト北海道重賞有終Vだ

[ 2015年9月3日 05:30 ]

併せ馬で軽快な走りを見せたアラバスター(左)

 「第50回札幌2歳S」の追い切りが2日、札幌競馬場で行われた。アラバスターが進境著しい走りを披露した。来年2月で定年解散となる松田博厩舎にとっては夏の2歳重賞最後の挑戦。良血馬で有終の美を飾る勢いだ。

【札幌2歳S】

 グレードホースを量産してきた母系の血が重賞舞台で目覚めたのか。アラバスターの馬上で菱田は変身を感じ取っていた。札幌ダートコースの4コーナー。母レーヴディソール譲りの芦毛の馬体が自らハミをかみしめて加速していく。3馬身先行したローハイド(4歳500万)との差を1馬身差まで詰めてゴール。引き揚げてきた菱田に満足そうな笑みが浮かんだ。

 「デビュー戦のときは調教でもフワフワしていたのに、今度は自分からハミを取ったんです。ゴール前でフワッとさせないためにステッキで気合を入れましたが、前向きになったというか…精神的な成長は大きい」。追い切り時計(5F72秒1~ラスト1F12秒8)を確認すると、「芝でいい馬なのでダートでこれだけ動けば十分。1馬身遅れ?併走した相手は調教駆けするし、切れるほうではないから問題ありません」と続けた。

 1番人気に支持された新馬戦は4角先頭で後続に1馬身半差の完勝。胸のすくような直線一気の剛脚で2歳女王に上り詰めた母とはレースぶりが異なるが、菱田は似た面を感じている。「レーヴディソールの新馬戦もVTRで見たんですが、ギアが少しずつ上がっていました。アラバスターもギアが上がるのに時間がかかる。でも、二の脚は速いし、相当な素質を持ってます」

 母も育てた松田博師は来年2月で70歳の定年を迎える。菱田自身の重賞初Vを懸けた一戦は、同師にとって最後の北海道重賞。「これだけの血統馬を任せてもらってありがたい半面、プレッシャーもあります。結果を出して先生(松田博師)に恩返ししたい」と表情を引き締める菱田。そしてきっぱり。

 「チャンスはあります。勝ちたいです」

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月3日のニュース