【小倉記念】アズマシャトル 松若、感激初重賞「本当にうれしい」

[ 2015年8月10日 05:30 ]

アズマシャトル(左)が小倉記念を制す

 サマー2000シリーズ第3戦「第51回小倉記念」は6番人気アズマシャトルが重賞初制覇。騎乗したデビュー2年目の松若風馬(19)もうれしい重賞初Vとなった。

 松若は無我夢中で追い続けた。アズマシャトルを全力で鼓舞して直線大外に持ち出す。右ステッキを連打してパートナーがもう一段ギアを入れ替えると、はじけるように伸びて先行勢をまとめて差し切った。ゴール前も手綱を緩める余裕はなく「全然周りが見えていなくて…。一生懸命追って気付いたらゴールでした」と安どの表情。自身の重賞初制覇、そしてパートナーの初タイトルを喜んだ。

 「もう一つ前で運びたくて、レースとしては満足しているわけじゃないですけど、馬が最後までしっかり走ってくれました」

 初コンビでも最終追いで特徴をつかんでいた。CWコース6F77秒5の猛時計で予定より速くなったが、テンから時計を出したことでレースに向けてのいいトレーニングとなった。加用師は「見えない疲れが心配だったけど、体重が(前走比で)10キロプラスで、結果的にあの調教が良かったのかな」と振り返った。

 前走で騎乗した和田にウインプリメーラの先約があったため、1週前の時点で鞍上は空白だった。そこで白羽の矢が立ったのがデビュー2年目の松若だ。指揮官は「去年の新人賞を獲っている。若さとガッツがあるし、今年も(35勝して)勝っているしね」と説明。重賞で減量特典が利かなくても、起用したのは騎乗技術と人間性を評価したからこそ。松若は「本当にうれしいです。今回以外にも何度もチャンスをもらっていましたが、重賞を勝てていなかったので」と爽やかな表情で汗を拭った。

 アズマシャトルにとっても重賞10度目の挑戦にしてうれしい初制覇。今後は夏競馬には使わず、様子を見ながら秋に備える予定。猛暑の中、念願のタイトルを手にした人馬はひと皮むけ、今後も躍進を目指していく。

 ◆アズマシャトル 父ゼンノロブロイ 母ブレッシング(母の父マルゼンスキー)牡4歳 栗東・加用厩舎所属 馬主・東哲次氏 生産者・北海道日高町下河辺牧場 戦績17戦4勝 総獲得賞金1億4594万8000円。

 ◆松若 風馬(まつわか・ふうま)1995年(平7)9月4日、滋賀県出身の19歳。14年に栗東・音無厩舎からデビュー。同年に47勝を挙げてJRA賞最多勝利新人騎手を受賞。父は装蹄師で、ローレルゲレイロ、アンライバルドなどを担当した松若勝氏。JRA通算82勝(9日現在)。

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