【ラジオNIKKEI賞】アンビシャス重賞初V!異次元剛脚3馬身半差

[ 2015年7月6日 05:30 ]

レース最大着差となる3馬身半差で重賞初勝利を挙げたアンビシャス

 東西でディープインパクト産駒の末脚がさく裂した。5日、福島で行われた「第64回ラジオNIKKEI賞」は1番人気のアンビシャスが中団から直線鋭く伸びて重賞初勝利。3馬身半差はグレード制が導入された84年以降の同レースで最大着差だった。

【レース結果】

 トップハンデ56・5キロでも軽すぎたか。アンビシャスはメンバー最速となる上がり3F34秒3の剛脚を発揮。残り100メートルで逃げ粘るマルターズアポジーを捉えると、あとは後続との差を広げる一方だった。小回りで直線の短い福島。84年以降のラジオNIKKEI賞で最大となる3馬身半差はまさに完勝だ。「凄い脚だった」。ルメールも興奮を隠さない。

 道中は中団やや後ろから。課題の折り合いもスムーズについた。鞍上の見せ場は4角から直線へのさばき。内を進んでいたが、ここしかないというタイミングでわずかなロスもなく外に持ち出した。

 ルメールは「内枠だったのでもう少し前で運びたかったが、ペースが流れたので結果的に良かった。きょうは掛からなかったし、小回りにも対応できる俊敏な馬」とパートナーを称えたが、音無師は「完璧に乗ってくれた」と絶賛した。アンビシャスとのコンビでは3戦3勝。初の福島参戦で土日計6勝と絶大な存在感を示した名手は「福島は面白かった。コースも問題ないね」と笑みがこぼれた。

 06年にハンデ戦となって以降、トップハンデも1番人気も初勝利。ジンクスをはねのけ、秋に弾みをつけた。前走でプリンシパルSを快勝したが、距離やレース間隔を考慮してダービー出走は見送った。それだけに師は「勝ってよかった」と安どの表情。レース後は競馬場から直接、同じ福島県内のノーザンファーム天栄へ放牧に出された。「今後は未定だが、神戸新聞杯を使うことはない」と師。菊花賞ではなく中距離路線を歩む予定で、秋は毎日王冠(10月11日、東京)から天皇賞・秋(11月1日、東京)を視野に入れている。

 ルメールが「長所は凄い瞬発力」と目を細める逸材。春には立てなかった府中の大舞台へ。馬名通り大望を持って秋に臨む。

 ◆アンビシャス 父ディープインパクト 母カーニバルソング(母の父エルコンドルパサー)牡3歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・近藤英子氏 生産者・北海道浦河町辻牧場 戦績6戦4勝 総獲得賞金9293万3000円。

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