【宝塚記念】史上最速菊花賞馬ジャッカル、245日ぶりG1連覇だ!

[ 2015年6月24日 05:30 ]

245日ぶりの実戦でG1連覇を目指すトーホウジャッカル

 上半期の中央競馬を締めくくる春のドリームレース「第56回宝塚記念」。トーホウジャッカルが昨秋の菊花賞V以来、245日ぶりに実戦復帰する。勝てば1993年有馬記念のトウカイテイオー(364日ぶり)に次ぐ長期休養明けでのG1制覇。デビューから149日の史上最速で菊花賞を制した“シンデレラボーイ”が新たな奇跡を起こすつもりだ。

【宝塚記念】

 菊花賞馬トーホウジャッカルは、4歳勢で最上位となるファン投票7位の支持を集めた。G1馬に輝いた昨秋以来、245日ぶりの実戦となるが同期のダービー馬ワンアンドオンリー(8位)を抑える人気ぶり。主戦の酒井も、その期待に応えるべく闘志を燃やす。

 「強かった菊花賞の印象があるんでしょうね。あれからレースをしていない分、なおさら次のジャッカルの走りを見たいという、ファンの思いもあるからね。ぶざまな競馬はしたくない」

 今年初戦に予定していた阪神大賞典は最終追い切り後、右前脚の挫石で回避。復帰は延びたが、その分じっくり乗り込んできた。中間、何度も調教にまたがった酒井が経過を報告する。

 「阪神大賞典の前は時計も思うように出なかったし、気も乗ってこなかった。それが今月4日の坂路で54秒ぐらいでいいと思っていたら、51秒台が出た。うれしい誤算だったね。感触以上に時計が出たし(状態は)戻りつつあるなと感じた」

 当初は前哨戦の鳴尾記念を使う選択肢もあった。「使えないこともなかったが急仕上げになる。オーナーさんとも相談して宝塚一本で行くことになった」と酒井。万全を期して上半期のドリームレースに備えた。

 担当の佃厩務員は「(傷めた)爪は大丈夫。息もできているし体は筋肉が盛り上がった感じになってきた」と目を細める。休み明けについて「(浅田)真央ちゃんじゃないけど、不安と希望の“ハーフハーフ”やな」と笑いながら「トウカイテイオーも1年ぶりで勝っているから」と名馬の名前を出して期待を寄せた。

 11年3月11日の東日本大震災当日に生まれ、2歳夏には腸炎を患って生死の境をさまよった。そこからデビュー149日の史上最速で菊花賞V。酒井は「今回は超一流馬が出てくる。読めない分もあるかな」と慎重に締めくくったが、数々の奇跡を起こしてきた“シンデレラボーイ”。その劇的なストーリーには、きっと続きがある。

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2015年6月24日のニュース