【フローラS】シングウィズジョイ重賞初V!悲願の樫切符つかんだ

[ 2015年4月27日 05:30 ]

2番手から抜け出し重賞初V。オークスの切符をつかんだシングウィズジョイ

 オークストライアル「第50回フローラS」が26日、東京競馬場で行われた。内田博幸(44)騎乗のシングウィズジョイが直線でディアマイダーリンの猛追を首差しのいで重賞初V。オークス(5月24日、東京)に向け弾みをつけた。2着ディアマイダーリン、3着マキシマムドパリまでがオークスの優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 好スタートを切ったシングウィズジョイ。内田が手綱を押して位置を奪いにいくところに、外からグリシーヌシチーがハナを主張。「逃げることも考えていた」という鞍上だが、競ることなく2番手につけた。1000メートル通過62秒6の緩い流れに、やや力みながらの追走となったが、3コーナー手前でスッと息が入り自分のリズムを取り戻した。

 直線に入って内で粘るグリシーヌをかわし先頭に立つと、パワフルに四肢を繰り出して進撃開始。残り200メートルで内からスルスルとディアマイダーリンが脚を伸ばし猛追したが、右ムチ2発の鼓舞に応えて負けじと体を伸ばす。最後にもう一発。ディアを首差抑えてゴール板に飛び込み樫の切符をもぎ取った。

 大崎昭一と並ぶフローラS最多4勝を挙げた内田は安どの表情で引き揚げてきた。「前走(君子蘭賞1着)も早めの競馬で押し切っているが、脚を使いすぎないように気をつけた。きょうは具合も枠も良かった。全てがかみ合ってくれましたね」と、ようやく笑みがこぼれた。友道師も「並んでからの根性が凄い」と、精神力を褒め称えた。

 ジョイの母シングライクバードも同じ友道厩舎で管理された。「体形やおっとりした性格は、母とそっくり」とトレーナー。母は08年フローラSで樫の権利獲りに挑んだが、5着に終わった。母の無念を娘が晴らしたが、ドラマはこれだけではない。バードを現役時代に担当していた田代算秋(かずあき)元厩務員(現在は田中章厩舎で補充員として勤務)は、ジョイを担当する田代一也助手の父。馬が母娘2代なら、担当者も父子2代での歓喜となった。

 今年の3歳牝馬はマンハッタンカフェ産駒の当たり年。同産駒はオークスではクイーンズリング(桜花賞4着)、ルージュバック(同9着)の強力2頭が立ちはだかる。それでも、「デビュー前からオークス、と思っていた馬」とトレーナーが話せば、内田も「自分で競馬をつくれる馬。距離は延びても大丈夫」と適性に太鼓判。桜花賞上位組に挑戦状を叩きつけた。

 ◆シングウィズジョイ 父マンハッタンカフェ 母シングライクバード(母の父シンボリクリスエス)牝3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績8戦3勝 総獲得賞金7684万2000円。

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2015年4月27日のニュース