【皐月賞】ドゥラメンテ、大外一気の異次元V!衝撃中山3F33秒9

[ 2015年4月20日 05:30 ]

ドゥラメンテで皐月賞を制したM・デムーロが馬上で4勝をアピール

 牡馬クラシック1冠「第75回皐月賞」が19日、中山競馬場で行われた。後方追走の3番人気ドゥラメンテがド派手な末脚で大外から一気に突き抜けてG1初制覇。3月にJRA通年免許を取得したミルコ・デムーロ(36)は史上最多の皐月賞4勝目。管理する堀宣行師(47)は開業13年目で初のクラシック制覇(G1通算6勝)となった。また、G1で1着馬の鞍上が騎乗停止となるのは12年ジャパンCの岩田(ジェンティルドンナ)以来。なお、2着リアルスティール、3着キタサンブラック、4着ブライトエンブレムまでが、ダービー(5月31日、東京)の優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 やっぱり、M・デムーロだ。ドゥラメンテが大立ち回りで1冠を奪取した。後方からじっくり進出し、勝負どころの4コーナー。最高潮に達したボルテージは突然どよめきへ変わった。内にいたドゥラメンテが外に進路を取ろうとした瞬間だ。遠心力に負け、横にスライドする形に。進路を遮られたのがベルラップ、ダノンプラチナ、タガノエスプレッソの3頭。あわや、僚馬サトノクラウンにまで接触しそうになった。

 それでも、必死に体勢を立て直したデムーロは横に流れる推進力を前へ転換した。残り1F。6馬身も前にいた完勝態勢のリアルスティールを目標にゴーサインを送ると、末脚に火が付いた。並ぶ間もなく、残り50メートルで豪快に抜き去った。急坂のある中山では衝撃の上がり3F33秒9。ゴールに入る前から、鞍上が左手指で“皐月賞4勝目”をアピールしながら腕を高々と掲げるほどの完勝劇だ。

 騎手として最多の皐月賞勝利。3月にJRA騎手となったばかりのデムーロは喜びを爆発させたいはずなのに、ちょっぴり神妙な顔だった。4コーナーの外斜行で25日~5月3日(開催日4日間)の騎乗停止の裁定。「凄くうれしい。夢みたい。4回も皐月賞を勝てるなんて、超ウレシイ。ただ、裁決委員が凄く怒っていた…」。

 すっかりなじんだ日本語を駆使した鞍上は反省も忘れなかった。まさかの4コーナー。「初の右回りでもともとテンションが高い馬。ファンの歓声が高くなる地点で馬がびっくりしたと思うし、僕も怖かった」と弁明。開業13年目で悲願のクラシック初Vを飾った堀師も「たくさんの馬に迷惑を掛けてしまった。今後はしっかり矯正したい」と笑顔はなかった。

 もっともレース運びは粗っぽかったが、世代No・1の脚力はアピールした。このレースぶりにすかさず生産者のノーザンファーム代表・吉田勝己氏は「凱旋門賞(10月4日、仏ロンシャン)に登録します」と明言した。デムーロにとってJRA騎手としてのG1制覇は悲願だった。「(03年皐月賞&ダービーを制した)ネオユニヴァースに凄く似ている。でもネオの皐月賞はアタマ差。きょうはナン馬身(1馬身半差)。素晴らしい馬だ。長い距離は問題ない。僕も、馬も…ね」初めて日本ダービーをプレゼントしてくれた2冠馬を上回る着差に、12年前の再現を夢見た。曽祖母ダイナカール(83年オークス優勝)から母子4代連続でのG1制覇は日本競馬界の宝。次走のダービーは、世界制覇へのさらなるステップアップとなる。

 ◆ドゥラメンテ 父キングカメハメハ 母アドマイヤグルーヴ(母の父サンデーサイレンス)牡3歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金1億6034万6000円。

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