【皐月賞】スティール破格52秒1!器はダービー馬ブリランテ以上

[ 2015年4月16日 05:30 ]

朝もや煙る坂路でブリンディス(右)をかわすリアルスティール

 皐月賞初Vへ、東西でディープインパクト産駒の精鋭2騎が超抜仕上げを見せつけた。牡馬クラシック第1弾「第75回皐月賞」の追い切りが15日、行われた。栗東では共同通信杯Vのリアルスティールが坂路4F52秒1~1F12秒3と破格の時計を叩き出せば、美浦では2歳王者ダノンプラチナがWコースで豪快に4馬身先着。ディープ産駒の“鬼門”突破へ、万全の態勢を整えた。なお、同レースは16日に出走馬、枠順が確定する。

【皐月賞】

 能力がそのまま追い切りに表れた。脚力が、切れが違う。リアルスティールは主戦の福永を背に坂路で併せ馬。スムーズに加速して残り1Fで仕掛けられると鋭く反応し、先行したブリンディス(3歳未勝利)を一瞬で置き去りにした。抜けてから右にヨレて若さを見せたのはご愛きょう。4F52秒1、ラスト400メートルは12秒2→12秒3と抜群の切れ味だ。

 「あれで文句をつけたらいけないんじゃないかという動き」。矢作師はいかにも満足げに話した。福永も「まだ完成度が低いところはあるが、持っている能力は高いしタイムも優秀。前回よりいい状態」と好感触。愛馬のセールスポイントを問われるとあらためて「能力が高いところ」と言い切った。

 デビュー2連勝で臨んだ前走・スプリングSは鋭く伸びながら2着惜敗。初黒星を喫したが、陣営は全く悲観していない。師は「前走は正直、余裕残しの仕上げ。今回はしっかりつくったつもり。たとえ馬体重が減らなくても、やってきた中身が違う」と仕上がりに太鼓判。そして「今回は久々に緊張している。それだけの手応えを感じさせてくれる馬」と続けた。

 重賞20勝、昨年は初の全国リーディングにも輝いたG1の常連トレーナーを緊張させる“逸材”。師は同じディープインパクト産駒で自らが手掛けた12年のダービー馬ディープブリランテとの比較にも応じた。ブリランテも共同通信杯(2着)→スプリングS(2着)とリアルと同じ臨戦過程で皐月賞に臨み3着。「今の時点ではブリランテの方が完成されていたが、リアルの方がもっと大きく化けそうな感じがある。ブリランテより優等生なので調整もしやすい」。“器”はダービー馬以上との見立てを示した。

 「まだまだ緩くて完成途上。まだまだ大きな可能性があると考えている」。師の期待はどこまでも大きい。ディープ産駒にとっての鬼門・皐月賞を制し、名馬への道を突き進む。

続きを表示

この記事のフォト

2015年4月16日のニュース