ジェニュイン死す 23歳、放牧中にケガ 95年皐月賞などG1・2勝

[ 2015年1月20日 05:30 ]

95年の皐月賞を制したジェニュイン。「SS時代」の先駆けとして活躍した

 95年皐月賞などG1・2勝を挙げたジェニュインが19日、けい養されていた社台スタリオンステーション(北海道安平町)で放牧中のケガのため死んだ。23歳。サンデーサイレンスの初年度産駒として産駒初のクラシック制覇を成し遂げるなど「SS時代」の先駆けとして活躍した。

 すでに種牡馬を引退していたジェニュインは同期のフジキセキなどとともに功労馬用の厩舎で余生を送っていたが、放牧中に右後肢を負傷。起き上がれない状態になった。社台スタリオンステーション事務局の徳武英介氏は「サンデーサイレンスの名前を高めてくれた功労馬。病気もせず手のかからない馬だったが、突然このようなことになり残念です」と名馬の死を悼んだ。

 5戦3勝で迎えた95年皐月賞で同じサンデーサイレンス産駒のタヤスツヨシを抑えてG1初制覇。続くダービーはタヤスツヨシの2着に敗れたが、4戦全勝で引退したフジキセキを含めSS時代の到来を強く印象づけた。その後は95年天皇賞・秋2着など惜敗が続いたが、96年マイルCSでG1・2勝目。管理した松山康久元調教師は「鋼のバネがくっついているような馬だった。自分で競馬をつくって勝つ、本当に強い馬。岡部騎手の絶妙な騎乗で鮮やかに勝った皐月賞が印象深い」と思い出を振り返った。

 種牡馬としては日本では活躍馬に恵まれなかったものの、シャトル種牡馬として供用されたオーストラリアでの産駒(ポンペイルーラー)がG1を勝っている。松山元調教師は「自分で名前をつけたという愛着もあるし、最も記憶に残る馬の1頭。残念だし、感謝の気持ちでいっぱい」と別れを惜しんだ。

 ◆ジェニュイン 父サンデーサイレンス 母クルーピアレディー(母の父ワットラック)牡23歳 美浦・松山康久厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績21戦5勝 総獲得賞金5億3701万3000円。

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