【フェアリーS】“小回り上手”カービングパス、中山で真価発揮

[ 2015年1月8日 05:30 ]

坂路で調整するカービングパス。父ハービンジャー譲りの走りで重賞初勝利に挑む

 今週の中山競馬3日間連続開催のメーン「第31回フェアリーS」で注目を集めているのがカービングパス。12年札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳Sを連勝したコディーノの半妹が万全の態勢で重賞初制覇に挑む。

【フェアリーS】

 競馬は血統に始まり血統に終わるブラッド・スポーツ。競走馬の特徴をサイヤーライン(父系)で語る者もいれば、ファミリーテーブル(母系一族)にこだわる者もいる。カービングパスは父、母どちらの特徴が深くカービング(彫刻)されているのだろうか。

 「エンジンの掛かりこそ遅いが、いったん掛かれば凄い脚を使う。父ハービンジャーの特長が出ていると思う」。朝の厩舎作業を終えると、担当の松本助手は口火を切った。93年マイルCSを制したシンコウラブリイのめいっ子に当たる血統。コディーノなど藤沢和厩舎に所属した兄姉は手綱を緩めた途端に加速する反応の速さが特長だったが、こちらは追わせるタイプ。札幌新馬戦(1着)、2戦目・赤松賞(3着)とも直線入り口から手綱を動かしながら最速の上がりを使った。「赤松賞は位置取りの差。力負けではない。もう一つ前の位置でレースした方が良かった」。主戦・柴山は前走をこう振り返る。

 前走後はノーザンファーム天栄(福島県)でリフレッシュ。12月中旬に帰厩後も順調に乗り込まれてきた。「先生(藤沢和師)に“自分で仕上げろ”と言ってもらって、日々のキャンターにも乗ってきた。休み明けでも落ち着きがある」と同騎手が語れば、松本助手も「背が伸びたし、馬体が大人になってきた」と、頼もしそうな視線をカービングパスに向ける。

 5日の中山12Rでは1歳上の兄トレクァルティスタが厩舎の新年初勝ちを飾ったばかり。Vゴールに導いた柴山は「今度は前回(赤松賞3着)の分までしっかりお返ししたい」と確勝を期す。札幌、中山など時計を要する小回りコースに強いハービンジャーの産駒。父系の特長を生かして重賞ウイナーに輝くか。

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2015年1月8日のニュース