【香港マイル】グランプリボス悔いなし3着 引退レースで見せた底力

[ 2014年12月15日 05:30 ]

引退レースとなった香港マイルで3着に入ったグランプリボス

 香港国際G1・4競走が14日、シャティン競馬場で行われた。過去最多の9頭で臨んだ日本勢は香港マイルのグランプリボス(牡6=矢作)、香港スプリントのストレイトガール(牝5=藤原英)の3着が最高だった。グランプリボスは同レースで引退し、来春から種牡馬入りする。

 中国語と英語の歓声が交錯する直線430メートル、グランプリボスが馬群から抜け出してくる。ラスト1F、脚色が鈍り、優勝した地元・香港馬エイブルフレンドに4馬身半差をつけられたが、それでも鞍上・岩田のステッキに応えて最後の力を振り絞った。8番人気の低評価をくつがえす3着。JRA・G1・2勝を挙げた6歳馬は引退戦でも底力を示した。

 「直線(半ば)で、もういっぱいかなと思ったが、そこから歯を食いしばって走ってくれた。頭が下がる」と振り返る岩田。その傍らでは矢作師が顔を紅潮させている。「パドックの気配でこれなら大丈夫だと思って送り出せた。悔いはない。本当によく走ってくれた」と語りながら、目に涙があふれてくる。「(10年朝日杯FSで)初めてG1を獲らせてもらった馬。海外にも3度行ったし、得難い経験をさせてもらった。感無量です」と続けた。

 普段、岩田に指示を出すことはない同師だが、ラストランだけは注文を付けた。「馬群の中を割る形で闘志を引き出してくれ」。そんな注文通りのレース運び。海外では11年英G1セントジェームズパレスS(8着)、12年香港マイル(12着)と結果を出せなかったが、ラストランで海外遠征の最高着順を上げた。

 「馬格もスピードもある。サクラバクシンオーのいい(後継)種牡馬になれる」。通算28戦6勝、重賞5勝。矢作師は2歳デビューから足かけ4年、悲喜こもごもを共にした愛馬をねぎらっていた。

 ◆グランプリボス 父サクラバクシンオー 母ロージーミスト(母の父サンデーサイレンス)牡6歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・グランプリ 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績28戦6勝(うち海外3戦0勝)。

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2014年12月15日のニュース