【阪神JF】ディープ娘アデラが2歳女王 父譲りの脚で後方一気!

[ 2014年12月15日 05:30 ]

蛯名騎乗のショウナンアデラが豪快に差し切り3連勝で2歳女王に

 2歳女王決定戦「第66回阪神ジュベナイルF」は14日、阪神競馬場で行われた。後方を進んだ5番人気の関東馬ショウナンアデラが馬群から突き抜けて優勝。新馬戦2着後は3連勝で、G1初制覇&2歳女王に輝いた。関東馬の優勝は09年アパパネ以来、5年ぶり。アデラは来春の桜花賞(4月12日、阪神)の最有力候補に躍り出た。

【レース結果】

 どよめきと悲鳴で始まった戴冠劇。大出遅れした1番人気ロカに熱視線が集まる中、実はショウナンアデラも2馬身出遅れていた。だが、百戦錬磨の蛯名はピンチをチャンスに変えた。

 「万事休す的なスタートを逆手に取れた」

 16番枠から機敏に内へ潜る。13番手のイン。前にレッツゴードンキを見る形で慌てずに進めた。他馬と接触しながらも、馬群を縫いまくって残り200メートル。外に出すと、一気に道は開けた。メンバー最速の3F34秒0。父ディープインパクト譲りの剛脚でドンキを半馬身ねじ伏せてゴール。スタート直後の悲鳴は歓声に変わっていた。

 殊勲の蛯名はG1通算22勝目。ひと仕事を終えた男の笑みが広がった。「スタートが良くなかったので切り替えて内へ。ゆっくりしまいに懸ける競馬を一度したかった。道中は2着馬の後ろ。外に持ち出した時は間に合うなと。うまくいった」。新馬戦(2着)で牡馬ナヴィオンに屈した後は3連勝。好位差しの優等生的な競馬から、一転して豪快な後方一気。通算2302勝を積み上げてきた名手の瞬時の対応が結実した。

 12年エリザベス女王杯(レインボーダリア)以来、JRA・G1・5勝目を飾った二ノ宮師は「膝下の関節が固まっていない段階。自分の馬だけど、最後はビックリしました」と喜びに浸った。成長期の2歳牝馬。鍛えたい半面、無理はさせられない。Wコースなどの平地調教を課したい衝動も我慢。エルコンドルパサーとタッグを組んだ蛯名と意思疎通を図り、坂路だけで調整を続けた。「蛯名君と一緒に育ててきた馬。これだけの脚を使えるのだから本物だった。手加減せず、本当に調教したらどうなるのかな」。指揮官は底知れぬスケールを感じていた。

 待望久しい関東のクラシック候補。同舞台で行われる桜花賞(4月12日)がはっきり見えてきた。鞍上は「ディープ産駒らしい素晴らしいフットワークを持った馬。ビシビシやれない中でこれだけやれている。もっと、上を目指せる」と飛躍を誓えば、二ノ宮師は「クラシックを使うには余分なレースを使うと厳しくなる。これで、1回放牧に出して立て直せますね」とニコリ。しばしの充電を図り、4カ月後の牝馬3冠第1弾に照準を合わせた。さらなるスケールアップを果たし、アデラは仁川に帰ってくる。

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2014年12月15日のニュース