新馬戦1着馬から禁止薬物 ピンクブーケ、カフェイン検出で失格

[ 2014年12月11日 05:30 ]

会見する(左から)渡邉孝徳美浦トレーニング・センター副場長、福井紳弥広報担当理事、小林陽審判部部長補佐

 JRAは10日、今月7日の中山6R新馬戦で1着となったピンクブーケ(牝2=小西、父メイショウサムソン)から、禁止薬物に指定されている「カフェイン」が検出されたと発表した。競馬法第31条第2号に該当しているおそれがあるため、JRAは同日に千葉県船橋警察署へ届け出て調査を依頼。競馬施行規定第128条第1項に該当するため同馬は失格となり、賞金は進上金も含めて没収。10~16日の出走停止処分を決定した。

 JRAでは当該週の全レース終了後、主な馬の検体(尿)を栃木県の理化学研究所に送って検査(詳細は別掲)している。10日に禁止薬物検出が同研究所から通達されたため、美浦トレセンで緊急会見を開いて公表した。

 現時点では同馬がカフェインを摂取した経緯は不明。

 JRA審判部の小林陽部長補佐は「まだ警察に届け出て、受理を待っている段階。警察の指示を待って捜査に協力していく。関係者の処分は警察の捜査が全て終了後に、裁定委員会で決定する」と説明。前回、JRAで禁止薬物が検出された93年ファーストサクセスのケースでは、管理する北橋師が調教停止3カ月の処分を受けている。

 JRA審判担当の小林善一郎常務理事は「ファンの皆様ならびに関係者の皆様に、ご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりおわび申し上げます。今後は早期の原因究明と再発防止に万全をつくし、競馬の公正確保に努めてまいります」とコメント。同レースの競走成績は変更され2着マイネルサージュが優勝馬となり以下は繰り上がり。ただし、レースは確定済みのため、勝ち馬投票券の払い戻し変更は行われない。

 ≪薬物検査≫JRAでは全レースの1~3着馬と裁決委員が特に指定した馬(圧倒的な人気で凡走した馬など)の尿検体(尿が採取できない場合は血液)をレース後、出走競馬場の検体採取所で採取。公益財団法人・競走馬理化学研究所(栃木県)に送付し、禁止薬物に指定している96品目122薬物の検査を依頼している。陽性となった場合、その出走馬は失格となり、賞金などの支給は停止される。

 ≪競馬法第31条第2号≫
 次の各号の一に該当する者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
 (2)出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる薬品又は薬剤を使用した者

 ≪日本中央競馬会競馬施行規程第128条第1項≫
 裁定委員会は、第125条第3項の規定により着順が確定した馬(第151条第3項の規定により失格の裁決を取り消された馬を含む。)について、当該競走が行われた日の翌日から起算して5年以内に、第123条第1項第1号、第2号又は第8号のいずれかに該当する事由があると認めた場合は、その馬を失格とする。

 ▼7日中山6R・VTR 13頭立ての予定が1頭出走取り消しで12頭立てとなった芝1800メートルの新馬戦。1000メートル通過65秒2の超スローペースを、後方10番手を進んだ9番人気ピンクブーケが最速の上がり3F35秒0で大外一気に差し切った。1番人気のマイネルサージュが1馬身半差で2位入線した。

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2014年12月11日のニュース