【ジャパンC】スミヨンで復活!エピファネイア4馬身差圧勝

[ 2014年12月1日 05:30 ]

エピファネイアで圧勝したスミヨンはウイニングランでガッツポーズ

 スミヨンが魅せた!G1馬12頭が集結した競馬の祭典「第34回ジャパンC」が30日、東京競馬場で行われた。2番手のインを進んだ昨年の菊花賞馬エピファネイアが、世界ランク1位のジャスタウェイに4馬身差をつけて圧勝。フランスの名手、クリストフ・スミヨン騎手(33)の好騎乗に導かれ、鮮やかな復活Vを飾った。

【レース結果】

 世界の名手も驚くほどの強さだった。ラスト400メートルで先頭に立ったエピファネイアの鞍上・スミヨンは、懸命に引っ張っていた手綱を放してゴーサイン。そのアクションにパートナーが応え、後続を突き放していく。3連覇を狙った最強牝馬ジェンティルドンナ、世界ランク1位のジャスタウェイも、はるか後方。最後は流す余裕を見せて4馬身差の圧巻Vだ。

 興奮気味に引き揚げてきた鞍上は「どんな能力の高い馬でも2400メートルの距離なら、ふた息ぐらい入れないと伸びない。4コーナーまで(手綱を)引っ張り切りで“マイラー”の勢いで走ったが、最後はスタートを切った馬のように反応してくれた」と声を弾ませた。

 非凡な闘争心はもろ刃の剣。折り合いが最大の鍵だ。逃げたサトノシュレンの1000メートル通過は59秒6。決して遅くはない。それでもエピファネイアは前へ行こうとした。だが、鞍上のスミヨンは2番手のインでグッと我慢させた。「コーナーごとに抑えようとしたが、ままならなかった。向正面では衝突しそうになってハラハラしたよ」と振り返った。

 世界で活躍する鞍上にとっても忘れられないレースだった。4年前のジャパンC。ブエナビスタとのコンビで1位入線したが、直線で他馬の進路を妨害して2着降着。「特別な思いで臨んだ」とリベンジを誓っていた。ブエナビスタと同じ生産者・ノーザンファームの吉田勝己代表から再び、騎乗のオファーを受けた。「また乗せてもらえて感謝している」と恩返しVに安どの表情を浮かべた。

 史上最強メンバーを圧倒し、堂々と“日本一”に立った。次走は有馬記念(28日、中山)の予定。短期免許を取得できる外国人枠(5人)が既に満杯のため、スミヨンは騎乗できない。

 「今まで乗った日本馬の中でも一番強いと思う」

 凱旋門賞で2年連続2着の日本最強馬、オルフェーヴルに騎乗した経験のある名手が、後ろ髪を引かれる思いを口にした。今年未勝利だった昨年の菊花賞馬が大一番で復活。暮れのグランプリ有馬記念でも、その強さを見せつける。

 ◆クリストフ・スミヨン 1981年6月4日、ベルギー出身の33歳。凱旋門賞を03年ダラカニ、08年ザルカヴァで制覇。JRA初騎乗は01年2月3日、小倉2Rのデューク(5着)。JRA通算264戦45勝(重賞6勝)。G1は10年天皇賞・秋(ブエナビスタ)以来の2勝目。

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