【ジャパンＣ】ジェンティルドンナ３連覇へ万全「最高の仕上がり」

史上初の同一Ｇ１・３連覇へ、万全の仕上がりを見せたジェンティルドンナ

　競馬の祭典「第３４回ジャパンカップ」の出走馬、枠順が２７日、確定した。先週の３日間開催の影響を受け、この日は関西馬が栗東トレセンで追い切った。ＪＣ３連覇を狙うジェンティルドンナは坂路単走で迫力ある動きを披露、石坂師を「最高の仕上がり」と納得させた。なお、同レースは２８日、ウインズ新橋、後楽園で午後２時から７時まで金曜発売を行う。

【ジャパンＣ】

　グレード制導入以降、初の同一Ｇ１・３連覇という偉業へジェンティルドンナが坂路単走で最終調整を終えた。徐々にラップタイムを伸ばしながらはじき出したのは４Ｆ５３秒３～１Ｆ１３秒０。たっぷり水分を含んだ馬場だっただけに数字は平凡だったが、そのフットワークは十二分に力強さを感じさせるものだった。もちろんトレーナーも好時計は求めていない。確認ポイントは活気があるか、のみだった。

　「単走でそこそこ負荷を掛けた。時計は大したことはないが、順調にやれて態勢は整った」と満足そうに動きを振り返った。さらに続けて「天皇賞前から感じていたが昨年より気合がいい。明らかに調子が良く今までで最高の仕上がり」とまで言い切った。

　コンビを組むムーアについて石坂師は「寡黙なジョッキーだがジェンティルドンナの特性をつかんでくれている。昨年とドバイでは（打ち合わせの）話をしたが、もう十分に分かっているので今回は話すことはない」と全幅の信頼を寄せる。それだけに１週前追い切りで感触を確かめたムーアが「年を重ねてより賢くなっている」と太鼓判も押したのも心強い。

　「“最後”が近づいている」とトレーナー。レースを使っても「最高２回」とは有馬記念までを指すが、ＪＣ３連覇を達成すればそのまま引退、も十分あり得る。だが「その話題はレースが終わってから。今はＪＣに全力投球の気持ちしかない」と目の前の目標を見据えた。

　この日、世界５９カ国に２０カ国語で放送される欧州のスポーツ専門チャンネル・ユーロスポーツが、ジェンティルドンナの特集を組むため石坂師にマイクを向けた。日本馬が海外で紹介されるのは極めてまれ。１２、１３年のＪＣ制覇、今年のドバイシーマクラシック勝ちと積み重ねてきたものはすでに日本競馬界に大きい功績を残している。

　折しも２７日はユネスコが日本の「和紙」を無形文化遺産への登録を決定したばかり。日本が誇る最強牝馬も最終リハーサルで切れ味鋭い末脚を磨き終えた。