アドマイヤラクティ急死 メルボルンC最下位入線後、脱鞍所で倒れる

[ 2014年11月5日 05:30 ]

ゴール後、鞍を外され脱鞍所に戻るアドマイヤラクティ。この後に倒れて急死した

 ラクティ、オーストラリアで死す――。南半球最大のG1レース、メルボルンC(芝3200メートル、ハンデ)が4日(日本時間同日)、豪州・フレミントン競馬場で行われた。ただ1頭日本から参戦、1番人気に推されたアドマイヤラクティ(牡6=梅田智)が最下位22着に敗れた直後、脱鞍所の馬房で突然倒れて死んだ。死因は現地で解剖の後、特定される見込み。なお同レースはR・ムーア騎乗のドイツ馬プロテクショニストが優勝した。

 アドマイヤラクティは10月18日に行われた前哨戦コーフィールドCを大外一気の差し切りでG1初制覇。その余勢を駆って迎えたこの日のメルボルンCはトップハンデ58・5キロを背負いながらも、1番人気の支持を受けていた。天候は快晴、気温30度近くまで上昇する中、ゲートが切られた。

 道中は2番手からレースを進めたが、最終コーナーを前に急失速。ズルズルと後退すると最後は手綱をとったパートンも追うのをやめて、22頭立ての最下位で入線した。鞍上は「レース前は異変は感じなかった。レース中になぜだか分からないが、急に手応えがなくなってしまったので無理させなかった」と話したが、その直後だ。脱鞍所に戻ったところで突然転倒、死亡が確認された。日本からも大勢のファンが駆け付け声援を送ったが、予想しない最悪の結末に関係者はそろって肩を落とした。

 梅田智師は「このような結果となってしまい大変残念です。レース後から馬の様子がおかしかったのですが、その後馬房で倒れて死亡しました」と状況を説明。「他の馬を巻き添えにせず最後まで頑張ってくれた。オーナーも“ファンのみなさん本当に応援ありがとうございましたと伝えてください”と言っていました」と話すのが精いっぱい。パートンも「残念な結果になってしまって本当に胸を痛めている」と沈痛な表情を浮かべた。

 また、この事故に関して主催者のメルボルン・レーシングクラブは「非常に珍しいケース。これから現地の大学で解剖して、死因を特定する」とコメントした。

 ラクティは昨年のダイヤモンドSで重賞初制覇を飾ると、今年の阪神大賞典ではゴールドシップの2着と長距離戦線を沸かせる1頭として活躍。前走のコーフィールドCを制した時にトレーナーは「勝って涙が出たのは初めて」と喜んでいたが一転、17日後に悲しい涙を流すこととなってしまった。

 ◆アドマイヤラクティ 父ハーツクライ 母アドマイヤテレサ(母の父エリシオ) 牡6歳 栗東・梅田智厩舎所属 馬主・近藤利一氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績28戦7勝(うち海外2戦1勝) 総獲得賞金4億4644万900円。

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2014年11月5日のニュース