【菊花賞】ワールドインパクト“ペリエ2世”ブドーが名刺代わりVだ

[ 2014年10月24日 05:30 ]

ブドーが騎乗し、息ピッタリの走りをみせたワールドインパクト

 「第75回菊花賞」の枠番が23日に発表され、ダービー馬ワンアンドオンリーは7枠15番に入った。またこの日、栗東トレセンで木曜追いが行われ、ワールドインパクトとコンビを組む初来日のピエール・シャルル・ブドー(21=フランス)が、初騎乗とは思えないほど息の合った調教を披露した。

【菊花賞】

 これが初コンタクトとは思えないほど、人馬の呼吸がピッタリ合っていた。

 ワールドインパクトの最終追い切りは今週、初の短期免許を取得したブドーを背にCWコースへ。ファルスター(6歳1000万)との併せ馬は2馬身追走でスタート。道中は先導役を務めた僚馬との差をキープしつつ、流れるようなフットワークで軽快にラップを刻んでいく。徐々にその差を縮め、馬体が重なったのは直線の入り口。と共に馬なりのままスムーズに加速して6F84秒3~1F12秒4で僚馬と同時にゴールへ。

 ブドーは「リラックスしていたね。スパッと切れるイメージではないけどスタミナを感じるし、長くいい脚を使えそう。長距離は合うと思うよ。感触を確かめることができて良かった」と笑顔で感触を伝えた。

 昨年、今年と2年連続で仏リーディング3位、トップジョッキーへの道を歩み始めている21歳。母国フランスではステファン・パスキエや、日本でもおなじみのオリビエ・ペリエと同じエージェントと契約していることから、“ペリエ2世”とも呼ばれている。

 そのエージェントの勧めもあって、短期免許の取得に至った。今週21日に初めて来日すると、前夜は栗東近郊の草津市内の飲食店で和食を堪能。欧米諸国では敬遠されがちな刺し身も問題なしとあって、年末まで続く日本での食生活にも困ることはなさそう。週末は競馬場で全力投球するのみだ。

 「生産者やジョッキーを含めて日本競馬のレベルが高いことは知っている。いきなりG1に乗るチャンスを頂いたし、楽しみ」と腕をぶす。日本でのG1初騎乗となるパートナーは今季、セントライト記念で始動。10着とはいえ新潟内回りの4コーナー18番手から、メンバー最速の上がり3Fを刻み伸びてきた。

 ひと叩きした上積みは十分。島助手は「1回使って良くなっているよ。まだ幼いところがあるし、長距離輸送がない近場の京都でやれるのは好材料。距離はやってみないと分からないけど折り合いの心配はないからね。けさの追い切りでジョッキーがいい感触をつかんでくれたし、後は任せるだけ」と意気込みを伝えている。

 全馬にとって未知の3000メートルで引っ掛かる不安がないのは間違いなく強み。叩き2走目で迎えたこの長距離決戦が本領発揮の舞台になる。

 ◆ピエール・シャルル・ブドー 1992年12月21日生まれ、フランス出身の21歳。元・障害騎手、調教師だった父マーク・ブドー氏の影響で騎手を志して09年に騎手免許を取得。昨年は122勝で仏リーディング3位、今年は105勝で同3位。今年のパリ大賞典、ロトシルト賞とGIを2勝している。今回が初来日。1メートル73、53キロ。

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