「太秦ライムライト」ファンタジア映画祭で作品賞、主演男優賞の2冠獲得

[ 2014年8月9日 19:22 ]

7月12日に映画「太秦ライムライト」の舞台あいさつを行った福本清三と山本千尋

 カナダ・モントリオールで7日まで開催されたファンタジア国際映画祭で、55年間にわたり時代劇で斬られ役を務めてきた福本清三(71)初主演の「太秦ライムライト」(監督落合賢)が最優秀作品賞の「シュバル・ノワール賞」と最優秀主演男優賞を受賞したこと9日、明らかになった。

 「シュバル・ノワール賞」は11年創設で日本映画が受賞するのは初めて、31歳の落合監督は日本人最年少で、主演男優賞の福本は日本人初、最年長での受賞となった。

 「太秦…」は、日本映画を陰で支え「斬られる」ために京都・太秦撮影所に生きる俳優「斬られ役」の人間ドラマを哀切たっぷりに描いた“日本の心の物語”。ニューヨークアジアンフィルムフェスティバルでも最優秀観客賞を受賞しており、国際映画祭ではこれが3つ目のタイトルとなった。

 受賞について福本は「この度の評価は苦労を掛けたスタッフ全員の熱意と努力のたまものです。仲間たちに支えられて撮影を全うすることが出来たに過ぎない私が主演男優賞とは信じられません。何かの間違いのように思われ落ち着かない気持ちでいっぱいです。ただただ感謝の一言しかございません」とコメント。

 落合監督は「50年以上斬られることで、他の主役を引き立たせてきた福本さんが、海外の映画祭で主演男優賞を受賞されたということは“どこかで誰かが見てくれている”というこのテーマそのものではないでしょうか、本当にうれしいです」と感謝のコメントを発表した。

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2014年8月9日のニュース