【函館スプリントS】8番人気ガルボ 直線一気で2年ぶり勝利!

[ 2014年6月23日 05:30 ]

ガルボ(左)が好位から抜け出し函館SSを制した

 函館の「第21回函館スプリントS」は8番人気のガルボが直線一気で重賞4勝目。こちらも単勝1・6倍の1番人気ストレイトガールが11着に敗れた。

【レース結果】

 津軽海峡に臨む函館競馬場の4コーナーを、ガルボが抜群の手応えで回ってくる。目の前には7、8頭が密集した先行馬群。どこへ持ち出す。その瞬間、旧約聖書にあるモーセが海を割るように、馬群は内外2つに分かれた。視界に開けたVロード。津村は一心不乱に手綱を押し込んだ。逃げたフォーエバーマークが失速し、ストレイトガール、スマートオリオンは前が詰まって満足に追えない。もがき苦しむ人気上位馬を尻目にエンジン全開。後続の追い上げもしのぎ、12年ダービー卿CT以来、2年2カ月ぶりに先頭でゴールを駆け抜けた。

 津村は10年マイルCS以来、3年半ぶりのコンビ復活で大金星。「久々に乗せてもらったが、返し馬で状態の良さを感じた。千二がどうかなと思っていたが、有力馬の後ろのいい位置につけられた。4角の手応えが抜群だったので信じて追った。期待通りの伸びだった」。スタートで行き脚がつかず、1馬身ほど出遅れる形になったが、焦らず馬を促して中団に取り付いた。「石橋先輩から、馬群の中にいた方がいい脚を使う、と聞いていたが、その通りだった」。40戦中17戦の手綱を取っている主戦のアドバイスも効いた。

 清水英師は「出遅れたが、かえって脚がたまってよかったのかも。天気も流れも向いた」と分析。3月の高松宮記念(11着)後、安田記念に向かうプランもあったが「腰に疲れがあった」と自重し、目標をここに切り替えた。例年以上に肌寒い函館で、暑さに弱いガルボはみるみる活気を取り戻した。津村へのスイッチについても「前にいい騎乗(10年富士S3着)をしてくれたし、低迷している馬の気分転換の意味もあった」と指揮官の采配が面白いように決まった。

 次走はキーンランドC(8月31日、札幌)。清水英師は「この相手で58キロで勝ったのだから実力は認めてほしいね。めったにないチャンス。サマースプリントシリーズを狙っていきたい」と力強く宣言した。まだまだ若い馬には負けられない。黒光りする青毛の7歳馬には活力がみなぎっていた。

 ◆ガルボ 父マンハッタンカフェ 母ヤマトダマシイ(母の父ジェネラス)牡7歳 美浦・清水英厩舎所属 馬主・石川一義氏 生産者・北海道様似町高村伸一氏 戦績40戦5勝 総獲得賞金3億4432万1000円。

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2014年6月23日のニュース