【安田記念】ジャスタウェイ 凱旋レースで世界一の脚見せる

[ 2014年6月3日 05:30 ]

万全の状態で世界一の脚を披露できそうなジャスタウェイ

 今週は春のマイル王決定戦「第64回安田記念」。前走・ドバイデューティフリーで圧勝し、ワールドホースランキングで1位になったジャスタウェイが登場。1週前の追い切りでは坂路で、うなるような力強い走りを披露。遠征後の疲れは全くなく、高いレベルで状態は安定。凱旋レースとなるここで、日本のファンに“世界一の走り”を披露する。

【安田記念】

 全身から“世界一のオーラ”があふれ出ている。ジャスタウェイ(牡5=須貝)は前走のドバイデューティフリーで、2着に6馬身以上の差をつけるレコードV。IFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表するワールドホースランキングで現役1位の評価(130ポンド)。昨秋の天皇賞・秋制覇後は無理せず休養に充てたことで、馬体に力強さが増し迫力ある走りに変貌を遂げた。国内での近5戦はすべてメンバー最速の上がりをマークするなど、瞬発力により一層の磨きがかかった。

 担当する榎本助手も「前走のダメージはなく、状態に関しては今までで一番いい。年明けから帰厩して初めて調教に乗った時は、言葉では言い表せないが“感動するぐらい”の乗り味だった。体に幅が出て非力だった2歳時とは見違えるほど成長しています」と充実ぶりを口にする。

 1週前の稽古で進化の片りんを見せた。福永(騎乗停止のためレースの鞍上は未定)を背に坂路併せ馬で4F52秒1。角居厩舎のエアハリファ(5歳オープン)を前に置き、しまい並び掛けるようにラスト11秒9で半馬身先着。鞍上のGOサインに鋭く反応して、うなるようなフットワークで駆け上がった。

 調教を見守った須貝師が「何だ、あの“化け物は”!?想像以上の動き。海外の経験を積んでひと皮むけた感じだね」と完成の域に達した走りに最大級の言葉を並べたほど。何より海外レース後でも目いっぱいに追われた調整過程を見れば、万全の状態を疑う余地はない。

 ハーツクライ産駒らしく、脚の長い美しいシルエットから繰り出すバネのある柔らかいフットワークは、他と一線を画す存在。勝負根性に優れ、追われてからの粘り強さも兼備している。今回、唯一の不安材料を挙げるとすれば久々のマイル戦。5走前の関屋記念では発馬で後手を踏み、上がり3F最速33秒2で追い上げるも届かず2着。だが榎本助手は「ゲート裏からイレ込んで出なかった。その後のレースは落ち着いているので大丈夫」と意に介さない。

 “ディープの子に勝つのはハーツの子”。先々週のオークスはヌーヴォレコルト、先週のダービーはワンアンドオンリーと2週続けてハーツクライ産駒がV。ジャスタの凱旋舞台は血の歴史の再来となる。

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2014年6月3日のニュース