【ヴィクトリアM】11番人気なんの、ヴィルシーナ復活連覇!

[ 2014年5月19日 05:30 ]

見事な逃げ切りで(左から)3着・ストレイトガール、2着・メイショウマンボら有力馬を抑え連覇を達成したヴィルシーナ

 府中のマイルで復活劇だ!春の古馬女王を決める「第9回ヴィクトリアマイル」が18日、東京競馬場で行われた。昨年覇者のヴィルシーナが、G1・3勝馬メイショウマンボの猛追を半馬身振り切り逃走V。近走不振が続き11番人気だったが、低評価を覆し昨年の同レース以来、1年ぶりの勝利となった。また、同レース連覇は創設9年目で初の快挙。

【レース結果】

 真っ先にゴールに飛び込んだヴィルシーナの内田に、ガッツポーズはなかった。1年ぶりの復活劇、そしてブエナビスタもアパパネも成し遂げられなかった史上初の連覇。内田はヴィルシーナの馬上で、久々の感動を静かに、ゆっくりとかみしめていた。だが検量室に引き揚げてくると態度が一転。両手を高々と突き上げ、何度もガッツポーズ。「やったよ!!」と、佐々木主浩オーナー夫人の加奈子さんと抱擁を交わし、喜びを爆発させた。

 7枠14番から好スタートを決めると「気持ちよく走らせようと思った。今の東京は前が止まらないし、無理をしても頑張ってくれると思っていた」と馬を信じ、手綱を押してハナを奪った。気迫を前面に出して逃げる内田に他馬は競り掛けなかった。残り300メートルで内からメイショウマンボ、外からはストレイトガールが迫ったが「何とかしたいという一心だった」と内田はこん身の右ムチを振るう。ヴィルシーナはこれに応えようと必死で粘る。この瞬間、眠っていた闘争心がよみがえった。マンボを最後まで前に出させず、半馬身振り切ったところが1年ぶりのVゴール。逃走Vはレース創設9年目で初、先週のNHKマイルCのミッキーアイルに続く東京マイルの逃げ切りだ。

 昨年は堂々1番人気での勝利だったが、今年は11番人気。これだけ人気を落としたのは6連敗の影響が大きい。今年初戦の東京新聞杯。昨年のヴィクトリアマイル以来、5戦ぶりにコンビを組んだ内田だったが11着惨敗。「体調はいいのに気持ちの入り方が違う」と感じた内田。そこから友道師と共に試行錯誤の日々が始まった。

 ソフトに行っていた調教をハードに。前走・阪神牝馬S(11着)で、あえて流れの速い1400メートルを経験させた。馬具も工夫を重ね、今回からチークピーシーズを着用した。リスクを承知の上で、陣営はイチかバチかの賭けに出たのだ。友道師は「結局、丸1年かかった。馬場入り前に尻っ跳ねしているのを見て(闘争心が)戻ってきたなと。きょうはやれると感じた」と感無量。「ここだけを目標にしてきた。次のことは何も考えていない」と言うが、宝塚記念(6月29日、阪神)についても「楽しみはある」と含みを持たせた。当然、同じ東京マイルで行われる安田記念(同8日)も視野に。闘争心を取り戻したヴィルシーナがどんなパフォーマンスを見せてくれるか、目が離せない。

 ◆ヴィルシーナ 父ディープインパクト 母ハルーワスウィート(母の父マキアヴェリアン)牝5歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・佐々木主浩氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績18戦5勝 総獲得賞金4億2742万9000円。

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