【天皇賞・春】サトノノブレスに懸かる“父子対決”

[ 2014年4月30日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=29日】栗東は朝から雨。寺下のテンションもダダ下がりだ。馬を驚かせるから傘は差せない。レインコートをかぶって、ひたすら自転車をこいだ。全ては穴馬を探すため。最後に立ち寄ったのが池江厩舎。菊花賞(2着)で◎を打ったサトノノブレスが気になった。担当の田重田(たじゅうた)助手に声を掛けると、びしょ濡れの姿を哀れんでくれたのだろう。大仲(スタッフ控室)に招き入れてくれた。

 同助手にとって天皇賞には、もう1つのテーマがある。キズナの担当者が父・静男厩務員なのだ。G1で初の父子対決。過去、父には2度挑んで1勝1敗。12年金鯱賞はダノンバラード(8着)で父の担当馬アーネストリー(10着)に先着。今年のアルデバランSはバーディバーディ(9着)で挑むも父のダノンスパシーバ(8着)に敗れた。「父子対決?特に気にしていない。キズナは強いでしょう」。ふーむ、そんな感じか。

 阪神大賞典は勝ち馬ゴールドシップから1秒6差の4着。決定的な差をつけられたがスムーズな競馬ではなかったことも事実。スタートで1馬身出遅れた。「ゲート内で待たされ、タイミングが悪くなった。無理してポジションを取りにいく訳にもいかない。きつい競馬になった」と振り返る。

 2走前の日経新春杯は先手を奪って逃げ切った。持ち味のしぶとさを生かすには前々の競馬で粘り込む形がベスト。04年イングランディーレ(10番人気)、12年ビートブラック(14番人気)…。春の天皇賞は先行した伏兵馬が波乱を演出するのが相場だ。キズナより前々で運ぶノブレスが押し切るシーンもあるか。靴下までびしょ濡れになった以上、必ず高配当を手にしなきゃと寺下は誓った。

続きを表示

2014年4月30日のニュース