【フローラS】マジックタイム瞬間移動!10馬身後方から2馬身先着

[ 2014年4月24日 05:30 ]

軽快に走るマジックタイム(手前)

 オークストライアル「第49回フローラS」(27日、東京)の追い切りが23日、美浦、栗東トレセンで行われ、マジックタイムが絶好の動きを披露した。関東屈指のサウスポー牝馬が前哨戦を突破し、樫本番に名乗りを上げる構えだ。

【フローラS】

 左足の痛みをこらえながら後藤が馬場から引き揚げてくる。「追い切り直前に落馬しちゃったけど、人馬とも大丈夫。仕上がりをしっかり把握できたから良かった」。スタンド前の馬だまりでマジックタイムに騎乗した際に振り落とされて、左足すねの脇を強打。すぐに屈伸運動を繰り返して骨に異常がないことを確認すると、再び騎乗してWコースへ。痛みをこらえる鞍上に思わず笑みが浮かぶほどの動きを見せた。

 5Fからスタートした追い切りの要所は直線入り口。後藤がハミをかけて仕掛けると、瞬時に反応した。10馬身近く先行したジェイケイニュース(3歳未勝利)を外から並ぶ間もなくかわしていく。余力たっぷりに2馬身突き放した。「一番変わってきた点はハミ受けの反応。前走(クイーンC2着)時よりも素早く反応した」と仕上がりの良さを強調する同騎手。「体が増えても、乗っていて重さを全く感じない。確実に成長している」と続けた。

 右回りの桜花賞を自重して左回りのオークス路線に備えてきたサウスポー。「きょうの追い切りは右回りだったが、左回りコースならもっと伸びる。左回りの直線で使う右手前(右前肢を軸にして左後肢で推進する走り)が得意な馬だから」。阪神JF(右回り)とクイーンC(左回り)でコンビを組んだ後藤は東京の左回りに揺るぎない手応えをつかんでいる。

 「次のオークスを意識しながら、今回も結果を出したい。ハープスターみたいに直線でごぼう抜きできる保証はないからポジションにもこだわりたい」。オークスに出走可能な収得賞金(1600万円)を得ているとはいえ、“試走”の思惑はない。後藤は腫れた左足を押さえながらつぶやいた。「ハープスターとぶつかる前に(ファンを)がっかりさせるわけにはいかないでしょ」。体調アップを伝えたサウスポー。東京が舞台なら確勝を期せる。

 ≪右手前とは≫右前肢を支えにしながら左後肢で推進する脚の運び方。左回りコースの場合、3、4コーナーを左手前で回り、直線に向くと右手前に転換してスパートをかける。マジックタイムは右手前の推進力となる左後肢の蹴りが強いため、直線でしっかり伸びる。逆に右回りコースの場合は3、4コーナーを右手前で回り、直線入り口で左手前に転換。同馬は左手前が不得手のため、阪神JFで伸び切れなかった。

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