【阪神新馬戦】“13冠ベビー”ボラーレ 16日ついに飛び立つ!

[ 2014年3月14日 05:30 ]

デビュー戦を迎えるウオッカの初子ボラーレ

 いよいよ“13冠ベビー”がベールを脱ぐ。07年ダービーなどG1・7勝を挙げた名牝ウオッカの初子ボラーレ(牡3=角居)が16日の阪神3R・新馬戦(ダート1800メートル)でデビューする。鞍上は母に乗って08年安田記念を制した岩田康誠(40)。父は09年英ダービー、凱旋門賞を制したシーザスターズだ。栗東でも評判のド迫力ボディーで注目の初陣をびしっと飾るか。

【日曜阪神3R】

 「あれがウオッカの子だよ」「やっぱデカいな」。引き運動をするだけでボラーレは周囲の目を引く。きらめくような存在感を放ち続けた母と同じだ。持って生まれたスター性は隠しようもない。

 生まれた時、いや、生まれる前から話題の的だった。ウオッカ引退と同時にシーザスターズとの種付けが決定。父はG1・6勝、母は7勝。合計13冠の配合に世界が色めき立った。誕生の地はアイルランド。現地で初期育成された後、12年秋、来日。北海道で報道陣に公開された際には1歳にして540キロの堂々たる馬体を誇った。「これは規格外だな」。思わず声が漏れた。

 北海道での育成も順調に消化。栗東近郊へと移動し、ピッチが上がった際には体重が600キロを超えた。調教が厳しくなってもカイバが落ちない。これこそ天性の競走馬センスだ。入厩後は角居厩舎が誇る強豪と併せ馬の連続。なかなか先着できず、陣営は芝でのデビューを見送ってダート戦へと目標を切り替えたが、グッと地面を踏みしめるような重厚感のあるフットワークだけに、このチョイスは吉と出るだろう。

 12日の最終追いは岩田を背にCWコース。僚馬ハッピーモーメント(4歳500万)を5馬身追いかけた。しまいまでびしびしと追われ、歯を食いしばって先輩馬を追走。結果、半馬身届かなかったがラスト1Fは12秒1(6F85秒4)。反応は俊敏で、闘争心はしっかりと見せた。辻野助手は「十分に乗り込めた。体重は582キロ。背が高く体も絞れ、格好いい体つきになった」と、ほれぼれした様子で語った。

 馬名はスペイン語で「飛び立て!!」。「ゴール前でボラーレ!!と大きく叫んでもらえるような馬にしたい」と角居師は語った。世界での活躍を見込んで陣営が既に英ダービー(6月7日、エプソム)への1次登録(500ポンド=約8万5000円)を済ませた逸材。初戦から力強く飛翔する。

≪デビューまでの経過≫
 10年3月7日 母ウオッカの引退発表。ドバイ「マクトゥームチャレンジ・ラウンド3」で8着後、鼻出血を発症。ドバイから直接アイルランドのギルタウンスタッドへと移動。シーザスターズと交配へ。

 6月4日 シーザスターズと3度目の種付けで受胎を確認。

 11年2月10日 谷水雄三オーナーが子も日本で走ると発表。

 5月2日 牡馬を出産。入厩先は角居厩舎と決まった。

 12年2月9日 谷水オーナーがカントリー牧場閉鎖を発表。ウオッカの故郷が消えた。

 10月31日 初子がアイルランドを離れ、来日。横浜で2週間の入国検疫に。

 11月13日 検疫を終え、北海道浦河の吉澤ステーブルへと移動。

 11月19日 報道陣にお披露目。540キロの堂々たる馬格にため息。

 13年9月15日 馬名がボラーレと決定。関西テレビの競馬番組内で募集し、谷水オーナーが「これだと思った」。スペイン語で「飛び立て」。

 11月21日 栗東トレセン入厩。596キロ。12月にゲート試験合格。再放牧。

 14年2月4日 栗東帰厩。

 3月4日 デビュー戦決定。

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2014年3月14日のニュース