脱退騒動主導の長塚、武田、村上義に出場自粛1年の厳罰

[ 2014年3月13日 05:30 ]

会見する佐久間理事長

 トップ選手に厳罰――。一般社団法人・日本競輪選手会(日競選)は12日、東京・板橋の同会で佐久間重光理事長(55=三重)をはじめとする理事20人で理事会を行い、一般財団法人SS11(エスエスイレブン)への移籍を企図した23選手の処分を決定した。長塚智広、武田豊樹、村上義弘の3人には「1年間の競輪出場の自粛休場の勧告」の制裁が下された。

 五輪でのメダル量産をはじめとする自転車選手の強化、育成を目的にしたSS11立ち上げに主導的役割を果たしたとみられる長塚、武田、村上義の現競輪界のトップレベルの3選手には、「1年間の競輪出場の自粛休場の勧告」と厳しい制裁が下った。新田祐大、平原康多は同8カ月、残る18選手は同6カ月となった。新田、平原は昨年12月19日の立ち上げ会見に出席した責任を重視され、3段階の処分に分けられたとみられる。なお自粛休場は5月1日から一斉に行われる。

 佐久間理事長は「個別に事情聴取を行った結果、この問題への関わりが大きかったと判断された選手の処分が重くなった」と説明。「トップ選手がこれだけの期間、不在となればファンや関係者に迷惑をかけることになるが、競輪が公営競技である以上“公正なレースができなくなるのでは?”と現場に大きな混乱を招いた責任は重い。皆さんの信頼を得るためにもしっかりした制裁を科した」と、厳しい姿勢で臨んだことを明らかにした。

 ここ数年では交通事故などで1年間の自粛休場勧告が出されたケースは2件あるが、JKAの科した斡旋停止の処分で相殺されており、選手会が科す勧告の中では最も重い処分となった。

 事の発端は昨年12月19日、現役トップ選手が現在所属している日本競輪選手会(会員約2600人)を脱会し、SS11を母体とした新選手会へ移籍すると一方的に発表。「会の規律を乱した」ことへの処分。あくまでも自粛休場の勧告という形なので、強制力はないが「本人たちからは一筆をとってある」(佐久間理事長)ため、23選手全員がこの処分に従うことになる。

 ▼村上 義弘 競輪界の混乱を招いたわけだし、(処分を)厳粛に受け止めて、頭の中を整理したい。競輪界をよくしようと思った行動だったが、私も選手会、組織の一員だということをもっと自覚すべきだった。応援してくれるファンには大変申し訳ない。

 ▼村上 博幸 (処分は)重く受け止めています。気持ちの整理がつきません。全日本選抜を勝って、グランプリの出場資格を獲りましたが、どうなるかも分かりません。

 ▼石黒克巳JKA会長 選手会の決定事項でありますが、トップ選手が出場しないことによりお客さまにご迷惑をおかけすることになり、申し訳なく思っております。 

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2014年3月13日のニュース