【チューリップ賞】ハープスター、一変!名牝候補は絹のような光沢

[ 2014年3月6日 05:30 ]

CWコースで3頭併せで追い切られたハープスター(右)

 逆襲の舞台は整った。桜花賞トライアル「チューリップ賞」の追い切りが栗東、美浦トレセンで行われ、ハープスターが抜群の動きを見せた。僚馬に遅れはしたが覇気がみなぎり、あっさりちぎられた1週前追いとは雲泥の差。松田博資師(ひろよし、68)は納得の表情を浮かべ、川田将雅騎手(ゆうが、28)は「結果が必要」と決意を語った。

【チューリップ賞】

 雨を切り裂き、不安説をシャットアウトした。ハープスターの最終追いは胸のすくような動きだった。CWコースで3頭併せ。内から伸びたアドマイヤカーリン(6歳1000万)には1馬身遅れたが、アドマイヤツヨシ(4歳1000万)とはしぶとく併入。最後まで前脚が高く上がり、馬体はしなり続けた。6F89秒6、1Fは11秒9。タイムを見て、松田博師は力強くうなずいた。「15―15からしまいだけと思っていたし、これでいいさ。順調に来ているよ」

 1週前追いは、ちぐはぐだった。先行したレーヴデトワール(すみれS4着)が予想以上にペースを上げたとはいえ、序盤から脚を使って直線急失速。同馬から7馬身遅れた。1Fは13秒7とかつてない平凡な数字。「不細工な追い切りだ」。師は怒りをあらわにした。あれから1週間。牝馬クラシックの主役候補は、きっちりと修正してきた。

 動きだけではない。馬体面も充実している。絹のような光沢を放つ馬体。トモ(後肢)もパンと張っている。前走・阪神JF(2着)の前は馬体が絞れず苦労したが、今回は順調そのものだ。「冬毛が抜けてガラッと変わった。体も締まってきたぞ」(同師)

 今回はクラシックでの飛躍に向けた滑走路のような意味合いの一戦だが、陣営にとっては阪神JFのリベンジ舞台でもある。レッドリヴェールの前に鼻差、わずか5センチ差で敗れたことを松田博師は悔しそうに振り返った。「俺はめったに騎手には言わんけど、あの時は言ったぞ。“馬を信用して外を回して、それで2着ならしゃあないんやから”ってな」

 川田は指揮官の思いを受け止めた。敗れてなお、鞍上に指名してくれた松田博師の意気に応えなければならない。「この馬に関しては何よりも結果が必要。去年は申し訳ない思いをさせた。今年は勝ち切ることを目標に乗りたい」。その表情は決意に満ちていた。

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2014年3月6日のニュース