【AJC杯】2番人気ヴェルデグリーン 得意の中山で重賞2勝目

[ 2014年1月27日 05:30 ]

AJC杯を制したヴェルデグリーン

 ここは負けられない。中山のアメリカジョッキークラブCは2番人気ヴェルデグリーンが中団待機から鋭く伸び、昨年のオールカマーに続く重賞2勝目を挙げた。

【レース結果】

 田辺の攻めの騎乗が光った。「勝ちにいく競馬をしようと思っていた」。道中は1番人気レッドレイヴンを10番手付近で完全にマーク。外からプレッシャーをかけつつ3角過ぎから押し上げた。直線はかすかに残る、芝のいい場所へ。残り200メートルで先頭に立ち、首差押し切った。計算されたパーフェクトな騎乗だった。

 「(昨年秋は)G1を2回使って負けた。G2だけど勝って穴埋めしたいと思っていた。乗り役の指示に凄くよく反応してくれる利口な馬」と相棒を称えた田辺。7勝中5勝が中山と、同馬にとって得意舞台ではあったが、田辺の前向きな気持ちが馬の闘争心を引き出したことは確かだ。

 この日9R、現役35人目の400勝を達成。G2が401勝目となり「400勝で止まらなくて良かった」とおどけたが、関東の次代を担う1人として、言葉は大人びてきた。戦前、ヴェルデグリーンで挑んだ昨年のG1・2戦をこう振り返った。「天皇賞(8着)は何もできなかった。でも、有馬記念(10着)は勝負にいった。着順は有馬の方が悪かったが自分としては納得できた」。敗戦を糧にした攻めの心が勝利を呼んだ。

 中京で勝利を見届けた相沢師も「負けられないと思って見ていた。爪の不安がないのが一番」と安ど。今後は中山記念(3月2日)を目標に調整。その先にはG1再挑戦も見据える。

 田辺は言った。「相手が強い中でも頑張れるし、心も強くなってきた。馬も僕も下から積み上げて、やっとここまで来ることができた」。再度、大舞台へ。14年、田辺とヴェルデグリーンにとって大いなる飛躍の年にしてみせる。

 ◆ヴェルデグリーン 父ジャングルポケット 母レディーダービー(母の父スペシャルウィーク)牡6歳 美浦・相沢厩舎所属 馬主・斎藤光政氏 生産者・北海道新冠町斉藤安行氏 戦績21戦7勝 総獲得賞金1億8575万6000円。

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