【東海S】JCD王者ニホンピロアワーズ圧倒!完全復活

[ 2014年1月27日 05:30 ]

後続を寄せ付けず貫禄の走りで圧勝したニホンピロアワーズ(右)

 一昨年の最優秀ダート馬が力の違いを見せつけた。ダートG2「東海S」が26日、中京競馬場で行われ、単勝1・6倍の圧倒的1番人気ニホンピロアワーズが直線半ばで抜け出し、2馬身差の完勝。フェブラリーS(2月23日、東京)の優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 勝負は4角でもう見えていた。外の4番手から先団をうかがったニホンピロアワーズ。手応えが他馬とは全く違った。ほぼ馬なりでかわしていく。2度、ハミを掛け直し、残り200メートルでもう先頭だ。あとは引き離す一方。グランドシチーが差を詰めてきたが2馬身差完勝。一昨年のジャパンCダート馬の底力は他馬を圧していた。

 完全復活。酒井は話した。「人気に応えられてホッとした。ターフビジョンを見たら後続と差がついているのが分かった。力強い姿を見せてくれた」

 ホッとしたという言葉からも分かるように、不安がない訳ではなかった。酒井は左回りを課題とみていた。過去に経験は1度だけ。12年川崎記念。スムーズに流れに乗れず5着。以後、右回りしか使ってこなかった。

 2年ぶりの左回りに馬も戸惑った。「1、2角でフッと勢いを欠く部分があった」と酒井。だが、3角過ぎ、意識的にハミを掛けると馬が応えた。これなら大丈夫。酒井は自信を胸に馬を追った。心配は杞憂(きゆう)に終わった。

 ジャパンCダート連覇を目指した昨秋は本調子に程遠かった。放牧先で両膝を外傷。白山大賞典での復帰プランが崩れ、ぶっつけで臨んだJCダートは5着に終わった。ただ、道中で何度も力みながら掲示板を確保し、王者の意地を見せた。東京大賞典は3着。使いつつ調子を上げ、この日のパドックは完璧。馬体は黒光りして、9キロ増でも締まって見えた。

 次走は優先出走権も獲得したフェブラリーS。大橋師は「この競馬なら左回りも大丈夫。マイルも問題ない」と語った。秋はジャパンCダートに替わってチャンピオンズC(12月7日、中京)が目標となるが、これも左回り。今回、克服したことは大きい。

 あらゆる不安要素を吹き飛ばして本番へ。「一番思い入れのある馬。一緒に頑張っていきたい」。酒井は力を込めた。

 ◆ニホンピロアワーズ 父ホワイトマズル 母ニホンピロルピナス(母の父アドマイヤベガ)牡7歳 栗東・大橋厩舎所属 馬主・小林百太郎氏 生産者・北海道新ひだか町片岡牧場 戦績28戦12勝(うち地方7戦3勝) 総獲得賞金5億3186万4000円(うち地方1億2813万円)。

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