【京成杯】プレイアンドリアル 折り合い特訓で呼吸ピタリ!

[ 2014年1月16日 05:30 ]

プレイアンドリアルは川崎競馬場で折り合いの特訓後に、追い切って5F64秒3を叩き出した

 地方馬の意地をここで見せる。中央競馬は先週、3日間開催だった影響で水曜追いは数頭のみ。京成杯でJRA初重賞制覇を狙う、川崎所属のプレイアンドリアルは川崎競馬場で追われ、5F64秒3をマークした。2番人気の前走・朝日杯FSではガツンと引っかかって7着敗退。中間、陣営は折り合い重視の調教で巻き返しを狙ってきた。京成杯、日経新春杯とも出走馬の多くが16日、追い切りを行う。

【京成杯】

 観客も馬もいない川崎競馬場。しびれるように寒い朝の静寂をプレイアンドリアルが打ち破った。広々とした左回りダートコースを独り占め。昨年暮れよりシャープになった馬体を躍らせ、単走でスムーズに加速した。直線、馬場の3分どころを真っすぐ伸びる。馬の息遣いがスタンドに響きわたった。最後まで脚さばきは乱れず5F64秒3~50秒1~37秒6。ラスト1Fは12秒5(いっぱい)を力強く刻んでみせた。

 河津裕昭師(47)は「軽快だ。やっぱり速い。時計の出る馬場じゃないし、乗り手は63キロ(福田調教専門厩務員)あるから65~66秒程度と思っていたが…。最後までしっかり伸びた」と感嘆した。

 中間の調教のテーマは「折り合い」だ。前走・朝日杯FS。2番人気に支持されながら道中でガツンと掛かり7着失速。地方馬初の中央芝G1制覇は夢と消えた。いくら高い能力を秘めていても、力の出しどころが分かっていなければ勝てない。まずは鞍上の指示を待ち、従うことを教えた。

 走る。しばらく進んだところで止める。また走らせる。根気のいる作業を丹念に繰り返した。この日も2周目に徐々にペースアップし、3角手前でスローダウン。3角で一度完全に静止し再始動した。追い切ったのは3周目。まるでジャパンCの外国馬のような調教だったが、人馬の呼吸が合っていることを披露するには十分だった。

 河津師は「最初は止まる指示にスッと反応できないこともあったが今は制御が利く。賢い馬で、日増しに落ち着きも出てきた」。もう心配ない。今回はレースできっちり折り合えるだろう。世代屈指の能力を余すことなく出し切れるはずだ。

 ダービー出走には皐月賞4着以内が条件。その皐月賞に出るには弥生賞1~3着が必要となる。弥生賞と同コースの今回はまさに“仮想弥生賞”。岡田繁幸オーナー(63)が「コスモバルク以上」と断言した素材にとって最重要の一戦だ。「前半2Fをリラックスして行ければ」と河津師。その口調には折り合いを心配する雰囲気など、みじんもなかった。

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