【有馬記念】フラッシュ無念の回避、引退…藤原英師「胸がいっぱい」

[ 2013年12月20日 05:30 ]

エイシンフラッシュの出走回避を藤原英師が発表。思いがこみ上げ号泣

 グランプリ目前、無念のリタイアだ。有馬記念でのラストランを予定していた10年のダービー馬、エイシンフラッシュ(牡6=藤原英)が19日、右前球節部捻挫のため同レースへの出走を取りやめ、そのまま引退、種牡馬入りすることになった。同馬は18日に追い切りを終えたが、一夜明けた19日朝に負傷が判明した。有馬翌日の23日に中山競馬場で予定されていた引退式も中止となる。同馬に代わり、除外対象だったテイエムイナズマが出走する。

【有馬記念】

 大一番目前、栗東に衝撃が走った。

 調教開始から2時間半が経過した午前9時半、JRAからエイシンフラッシュが出走を取りやめる旨の一報が報道陣に伝えられた。有力馬の予期せぬ回避。1時間ほど前に追い切っていたテイエムイナズマが繰り上がることに。他陣営から「フラッシュ、残念だね」との声が上がった。

 同馬は18日にM・デムーロが騎乗してCWコースで追い切りを消化。だが、一夜明けた19日朝に異状が判明した。午前10時半からトレセン事務所で会見を開いた藤原英師は「けさ(19日)歩様の乱れがあり、詳しく調べた結果、右前球節部の捻挫が見られた」と説明。1歳下のオルフェーヴルとの「ダービー馬ラストラン対決」は夢と消えた。

 通算27戦6勝。内田が騎乗した10年ダービーを上がり3F32秒7の驚異的な剛脚で制すと、その後もG1戦線で好走。11年天皇賞・春2着、同有馬記念2着など惜敗が続いたが、天覧競馬の昨年天皇賞・秋で2年半ぶりの復活V。鞍上のM・デムーロは馬から下り、スタンドの天皇、皇后両陛下に深々と頭を下げた。

 会見でフラッシュへの思いを聞かれた師は「思い出すだけで胸がいっぱいになる」と話すと、こみ上げるものを抑えきれず涙を流した。1分ほど言葉にならず絞り出すように「今まで目いっぱい頑張ってくれた。つらかったと思うが頑張ってくれたことに感謝の気持ちしかない。(今年3月に死去した)天国の平井豊光オーナーもそう思われていると思う」と愛馬をねぎらった。

 21日に栗東を出発し、宮城県山元トレセン経由で種牡馬としてけい養される社台スタリオンステーション(北海道安平町)に向かう。23日に中山競馬場で予定された引退式は中止。代わりに同馬の活躍を振り返る「メモリアルトークショー」が昼休みに行われ馬主の平井克彦氏、藤原英師、M・デムーロ、内田が出席する予定になっている。

 ◆エイシンフラッシュ 父キングズベスト 母ムーンレディ(母の父プラティニ)牡6歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・平井克彦氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦6勝(重賞4勝) 総獲得賞金7億8711万6400円。

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