【朝日杯FS】バルク以上!プレイアンドリアル 地方からダービー馬を

[ 2013年12月10日 05:30 ]

朝日杯制覇を目指すプレイアンドリアル

 今週は中山で2歳チャンプ決定戦「朝日杯FS」。地方所属から初のJRA芝G1制覇を狙うプレイアンドリアルの岡田繁幸オーナー(63)がスポニチ本紙のインタビューに答えた。「コスモバルク以上の逸材」と、同じく地方所属からクラシックに挑んだかつての所有馬の名を挙げ、その先にダービーも見据えた。道営・田部厩舎からバトンを渡された川崎の河津裕昭師(47)、主戦・柴田大知(36)も素質にぞっこん。メイセイオペラ(99年フェブラリーS)以来の地方馬によるJRA・G1制覇はなるか。

【朝日杯FS】

 ――プレイアンドリアルとの出合いを聞きたい。

 「(今年)5月のトレーニングセール。時計は平凡で、走りを見た時点では購入リストに入れなかったが、歩く姿を見て“いい馬だ”と感じた」

 ――何が決め手に?

 「筋肉の質。収縮力が素晴らしかった。サンデーサイレンス系(父デュランダル)の特長をうまく引き継いでいた。そういう馬は世界中探しても、そういない」

 ――700万円(税別)での落札。

 「もともと買うつもりで足を運んだ訳ではなかったから、3000万円以上になったらどうしようって思っていたが…。一声で落札できた」

 ――運命的な出合い?

 「そういう言葉は否定しませんよ」

 ――落札後は。

 「すぐに引き取って真歌トレーニングパーク(北海道新ひだか町)でバンバン鍛えた。強い調教をしてもヘコたれずついてきた。この馬はやっぱり凄いと確信した」

 ――門別での初陣は柴田大知騎手が騎乗し圧勝。

 「中央では大知と決めていたが、たまたま同日の交流戦に来るというので乗ってもらった。まず負ける気がしなかったね。前半から先頭に立たないよう指示して、ダービーを意識した乗り方をしてもらった」

 ――初戦からダービーを意識?

 「意識はデビュー前からしていた。ダービーでどういう競馬ができるかを確かめた」

 ――中央初参戦の東スポ杯2歳Sは首差2着。

 「初めての高速馬場にもすぐに対応した。普通なら最初の2、300メートルは戸惑うところ。あらためて凄さを確信した」

 ――前走後、川崎・河津厩舎に転厩。地方所属のまま中央G1へ。

 「そこは、こだわったところ。地方にも優秀なスタッフがたくさんいる。チャンスを与えたいし、地方からでもダービーを目指せるという感動を味わってほしい。中央だけでは競争原理が働かない。地方と中央で、もっと情熱を競い合えればいい」

 ――競馬は中央だけではないと。

 「日本中のホースマンがダービーを目指せるような感動的な競馬界になってほしい。もっと門戸が広がればいいと思う。プレイでクラシックを獲ったら、ファンもマスコミも納得してくれるのでは。それも含めて、何としてもこの馬でクラシックをという気持ちは強い」

 ――“コスモバルクの再来”という声も聞かれる。

 「再来じゃなくてバルクより上だよ。もの凄い才能を持った馬」

 ――朝日杯FSに向けて意気込みを。

 「高速馬場も2回目。かなりのパフォーマンスを見せてくれると思う。馬の能力を信じている」

 ◆岡田 繁幸(おかだ・しげゆき)1950年(昭25)3月19日、北海道生まれの63歳。米国のクレイボーンファームで馬産を学び、74年にビッグレッドファームを創設。86年には「マイネル」の冠名で知られるクラブ法人「サラブレッドクラブ・ラフィアン」を設立した。06年に同クラブの代表を退き、個人馬主の資格を取得した。

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