【香港スプリント】ロードカナロア有終連覇!年度代表馬も確定的

[ 2013年12月9日 05:30 ]

5馬身差で快勝したロードカナロア

香港国際競走

 カナロア、有終の連覇!!世界の強豪が集結した「香港スプリント」は8日(日本時間同日夕方)、香港・シャティン競馬場(G1、芝1200メートル、1着賞金855万香港ドル=約1億1345万円)で行われた。前年優勝馬の1番人気ロードカナロア(牡5=安田)が直線半ばで堂々と先頭に躍り出て、2着ソールパワーに5馬身差の衝撃的圧勝で連覇。国内を含めて今年G1・4勝目を挙げ、JRA賞年度代表馬も確定的となった。カナロアは来春からの種牡馬入りが決まっており、有終の美となった。

 何という強さだ。日本が誇るロードカナロアが衝撃的ラストランを飾った。6番手の外を悠々と追走、直線入り口で仕掛けるのを我慢する余裕。残り300メートルで満を持し、先頭に躍り出た。1馬身、2馬身…。最愛のパートナー・岩田のムチは単なる飾り。使う必要は全くなかった。後続との差は開く一方。ゴールした瞬間、2着ソールパワーとの差は、6F戦では異例の5馬身差。香港国際競走の日本馬の連覇は史上初めて。タイキシャトルと5勝で並んでいた短距離(スプリント&マイル)G1は6勝目となり単独トップ。記録ずくめの引退戦となった。

 岩田は右手で高々とガッツポーズをして、意気揚々と引き揚げてきた。昨秋のセントウルS(2着)でコンビ結成後は9戦7勝、2着2回。日本国旗が掲揚された表彰式では、岩田は君が代を感無量の面持ちで聴き入った。「今までになく、一番強いレース。スタッフのみんなが、最高の状態に仕上げてくれた。最高の形で引退レースを勝てたのは幸せに思う。寂しくも思いますが、騎手冥利(みょうり)に尽きます。馬も引退だと分かっていたんでしょう。本気で走ってくれました」

 総獲得賞金は8億5020万800円。年内休養が決まっているメイショウマンボ(今年G1・3勝)を抜き、単独トップの年間G1・4勝。年度代表馬は確定的だ。短距離馬の年度代表馬となれば、98年タイキシャトル以来、15年ぶり。春の安田記念では初のマイルG1も制し、日本競馬史に堂々の足跡をしるした。

 安田師は「多くのファンの前で素晴らしいラストランができて、とても良かった。引退は大変寂しいですが、今後はカナロアのDNAを多くの子供が引き継いでほしい。次はカナロアの子供で香港に来ることを約束します」と凱旋を誓った。中国語で「龍王」と命名されたカナロアの子供は早ければ、4年後の17年夏にデビュー。無類の安定感を誇った名短距離馬2世に、世界中のホースマンが注目している。

 ◆ロードカナロア 父キングカメハメハ 母レディブラッサム(母の父ストームキャット)牡5歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・ロードホースクラブ 生産者・北海道新ひだか町ケイアイファーム 戦績19戦13勝(うち中央17戦11勝) 総獲得賞金8億5020万800円(うち海外1億8024万2800円)。

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