【JCダート】砂の新星ブライトライン G1馬9頭蹴散らせる

[ 2013年11月27日 05:30 ]

ダートの新星ブライトライン

 ダートG1馬9頭が集結し、見応え十分のジャパンCダートだが、G1馬以外の伏兵陣も魅力たっぷり。前哨戦のみやこSを制したブライトラインは芝、ダートの両方で重賞を勝っている“二刀流”だ。芝ダ兼用のマルチ型はクロフネ、ヴァーミリアンなど、過去のこのレースでも活躍が目立つだけに侮れない1頭だ。

【JCダート】

 前哨戦のみやこSを制した割には存在感が薄いブライトラインだが、無理もない。ダートG1馬9頭が待ち受ける大舞台。今春に芝から砂へと路線転向したばかりで、前走がダート重賞初Vのブライトは、ダート界ではまだまだ格下。それでも、春からの戦績には目を見張るものがある。

 3歳時に芝の重賞(ファルコンS)を勝ったブライトが、初めてダート戦に出走したのは4月の京葉S(中山)。鮫島師は「もともとパワータイプで、いつかダートで走らせたいと思っていた。適鞍を探しながら、偶然このレースになった」と振り返る。結果は3着だったが、勝ち馬との差は0秒1。その後は東京の麦秋S、函館のマリーンSと距離を延ばしながら連勝。ダート重賞初挑戦だったエルムSこそ3着に敗れたが、続くみやこSで結果を出した。「砂への転向と馬の成長のタイミングがばっちり合った。芝では出遅れ気味になるスタートも、ダートでは安定している」(同師)。陣営の狙いは間違っていなかった。

 順調に出世街道を歩んでいるように見えるが課題も残す。掛かり癖だ。前走みやこSも「向正面でずっと掛かっていた」と師。アイファーソングとレッドクラウディアが激しくハナで競り合う展開。2頭の直後で折り合いを欠いたブライトは、3角過ぎで失速した2頭を自然とかわす形で先頭に立ち、そのまま後続の猛追をしのいで押し切った。前で競った2頭は最下位とブービー(16頭立て)に惨敗しており、ブライトにとっても厳しい展開。指揮官は「あれだけ掛かれば、普通は最後で後退する。それでも踏ん張ったのは力をつけている証拠」と評価する。

 今回も最大のポイントは折り合い。「状態は前走より上だが、前走のような競馬では厳しい相手」と師。「前半リズム良く走って、後半にスタミナを残したい。気分良く走れるならハナでもいい。折り合えば能力的にはそん色ないと思っている。福永騎手も3度目。この2回で特徴をつかんで、うまく乗ってくれるだろう」。この秋、絶好調の鞍上に全てを託し、強豪に真っ向勝負を挑む。

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2013年11月27日のニュース