【盛岡・南部杯】エスポワールシチー連覇 後藤ド派手復活!

[ 2013年10月15日 06:00 ]

南部杯を逃げ切り連覇を飾ったエスポワールシチー。鞍上の後藤は復帰わずか9日で大仕事をやってのけVサインで声援に応える

 後藤やった!復帰後初G1!!14日、盛岡競馬場で行われた交流G1「第26回マイルCS南部杯」はエスポワールシチーが快勝。09、12年に続き、このレース3勝目、ダートG1・8勝目を挙げた。騎乗した後藤浩輝騎手(39)は、頸椎(けいつい)骨折などによる1年以上の休養から、今月5日に復帰して初のG1制覇となった。

 5日の復帰からわずか9日、後藤がエスポワールシチーを駆ってのG1制覇というド派手なタイトル獲りで完全復活をアピールした。昨年に続くこのレース連覇がかかる馬の騎乗依頼を受け、栗東まで足を運んでコンタクトを取った経験を生かしての巧みな逃げ切り勝ちだった。

 ゴール後、スタンド正面をウイニングラン。ゴール前でピタリと止まり、まずは6000人を超えるファンに感謝の意を表した。「歓声を肌で感じながら、もう少し直線が長ければいいなと思った」と後藤。そして、お立ち台では「サトテツさん(佐藤哲三騎手)ならどうするかなと馬に聞きながら、“来るなら来い”と自信をもって乗った」と昨年11月に落馬負傷(左上腕骨開放骨折など)し休養中の主戦ジョッキーを気遣った。

 昨年9月の浦和オーバルスプリント(アースサウンド)以来の重賞勝ち。そして何より、自身初のG1制覇はゴールドティアラでの00年南部杯。思い出深いレースでこれ以上ない結果。「思いっ切り意識してましたよ。勝てたら最高だなと。やっとG1の舞台に戻って来られたので次は中央でも」と笑顔を見せた。

 前半はスローペース。思惑通り残り800メートルから仕掛けて出た。直後につけていたG1連勝馬で断然人気のホッコータルマエを勝負どころで一気に突き放す。そのアドバンテージを守り切り、G1・8勝目に導いた。「想像通りの走りだった。若々しいし、これからもG1の舞台で活躍できる」と相棒を称えた。

 「スローになって、まくられたらまずいなと思ったがうまく乗ってくれた」と安達師。この後は優先出走権を得たJBC競走(11月4日、金沢)のクラシック(2100メートル)かスプリント(1400メートル)どちらかに向かう予定だ。

 ◆エスポワールシチー 父ゴールドアリュール 母エミネントシチー(母の父ブライアンズタイム)牡8歳 栗東・安達厩舎所属 馬主・友駿ホースクラブ 生産者・北海道日高町幾千世牧場 戦績38戦16勝(地方13戦7勝、米国1戦0勝)総獲得賞金9億6319万7000円。

 ≪後藤・復帰までの経過≫
 ▼12年5月6日 NHKマイルCのシゲルスダチで直線で落馬。頸椎骨折。
 ▼9月8日 中山で復帰したが、本馬場入場の際に落馬。
 ▼同16日 中山11R・パワーストラグルの騎乗中、頸部に違和感。検査の結果、第一、第二頸椎および頭蓋骨亀裂骨折が判明。
 ▼13年3月21日 戦線離脱以来初めて美浦トレセンを訪れ、年内復帰への意欲を表明。
 ▼8月28日 トレセンでの調教騎乗を再開し、3頭の追い切りに騎乗。
 ▼10月5日 東京2Rで復帰。8番人気のモンサンカノープスで2着。
 ▼同6日 東京7Rをシンボリエンパイアで制し、復帰後初勝利。

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2013年10月15日のニュース