【凱旋門賞】キズナ4着 武6度目挑戦も無念「またトライ」

[ 2013年10月7日 06:00 ]

唇をかんで質問に答える武豊

 これが世界の壁。オルフェーヴルが2着、キズナが4着に敗れた凱旋門賞。昨年の雪辱を果たせなかったオルフェの池江泰寿師(44)は唇をかんだ。6度目の挑戦だったキズナの武豊(44)は、勝ったトレヴを目標に追い出したが届かず、天を仰いだ。

 ベストを尽くした。最高の騎乗だった。それでも4着。日本ダービー馬は力を出し尽くして敗れた。

 序盤は後方2番手。しっかりと折り合った。絶妙だったのはフォルスストレート(偽りの直線)。馬群でモマれるオルフェーヴルとは対照的に、外から自分の間合いでじりじりとポジションを上げていった。直線に向いた時は外の4番手。いける。武豊の右ムチがしなる。しかし…。前を行くトレヴの脚が止まらない。残り100メートルで脚が上がった。4着。しかし不利もなく、しっかり力を出し切っての敗戦と映った。

 佐々木師は「馬体、筋肉とも凄かった。目が輝いていたので、やってくれると思ったが、世界の壁はベルリンの壁より厚かった。歴史の重みを感じた。折り合いもきっちりついたし、やることは全てやった。これが現実。オルフェーヴルでさえ、あれだけ離されたんだ。世界の壁は厚いよ…」。納得したような表情で語った。

 武豊は「オルフェーヴルや他馬を見られるベストのポジションにつけられた。思い通りのレースができた。トレヴは強い。完敗だ。キズナは最高の仕上がりだった。ダービーの時より強くなっている。できることならもう一度トライしたい」。敗戦を受け入れつつ、先々に夢を託した。

 佐々木師は言った。「次走はノープランだが、まだ3歳。前に3頭いたが、いいレースはしてくれた。しばらくは日本で走ることになるが、また強いところを見せたい」。持てる力は示したキズナ。来年のロンシャンにも、その姿があるに違いない。

続きを表示

2013年10月7日のニュース