田島俊明師 ファンから愛される個性派育てる

[ 2013年9月27日 06:00 ]

田島俊明師

 厩舎の周りには、何種類ものきれいな花が咲き誇っている。「妻が植えているんです」。照れながら教えてくれたのは田島俊明師(39)。身内に競馬関係者はいない。この世界では少数派だ。東京競馬場の隣、国立市出身。小学生の時に友達の誘いを受けて、競馬場内の乗馬苑で乗馬を始めたのが馬との出合い。「個人競技では味わえない一体感」(同師)にハマり、この世界を志した。高橋裕、畠山吉厩舎などで調教助手を務め「自分の考えで馬を扱いたい」と09年、調教師免許を取得した。

 思い出の名馬は84年ジャパンCを逃げ切ったカツラギエース。影響を受けたのは助手時代に担当したトキオエクセレント(97年青葉賞)、シンボリグラン(05年CBC賞)。「2頭ともうるさい馬だった」。師の口からは“クセ者”の名が次々と飛び出す。「個性のある馬をどう育てるのかが面白いんじゃないかな」と笑った。

 厩舎ロゴのデザインも個性的。○は日の丸。ハートはレースへの気持ちを込め、■は田島の田。師自らがデザインした。「人間は素直な方がいいかな」とおどけた師だが、ファンから愛される個性派が、田島厩舎から飛び出しそうな予感がする。 (村松 由季子)

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