【スプリンターズS】フォーエバーマーク 無欲逃走でVロード行く

[ 2013年9月25日 06:00 ]

3戦連続で逃げているフォーエバーマーク。先陣争いは譲らない

 スプリンターズSは逃げ馬の天下だ。過去10年で先手を奪った馬の勝率はなんと5割!!今年、逃げを打ってVロードを切り開くのは?先陣争いの行方を占ってみた。

【スプリンターズS】

 東西を代表する“鉄砲玉”といえば、フォーエバーマークとハクサンムーン。フォーエバーがキーンランドCでスピード任せに押し切って重賞初制覇を飾れば、ハクサンもセントウルSで先手を奪って3度目の重賞制覇。G1ではどちらが逃げるのか。先陣争いをめぐって全休日明けから両馬陣営の舌戦が繰り広げられた。

 24日朝の栗東トレセン。ハクサンムーンを送り出す西園師の確信に満ちた言葉が調教スタンドに響きわたる。「当然、いつものように先手を取って行くだけだ」。デビュー17戦のうち15戦でハナを奪ってきた。叩き上げの逃げ馬。「果たしてスピードについて来られる馬がいるかな」と不敵な笑いを浮かべる。

 ほぼ同じ頃、600キロ離れた美浦トレセンではフォーエバーマークの主戦・村田が徹底先行を宣言。「枠順の内外に関係なく“逃げろ”の指示が(矢野英師から)出ている。ハクサンムーンがいるけど、駆け引き無用で行くだけです」。こちらは3戦連続で逃げている。昨夏の函館では2番手から抜け出して1000万、1600万を連勝したが「内容が物足りなかった。やっぱり逃げなきゃ駄目」と言う。

 どちらも譲らない気配。そこで両馬が対決した今夏のアイビスサマーダッシュを振り返ってみたい。注目は最初の100メートル。フォーエバーマークが発馬と同時に飛ばして1馬身前に出ていた。その後、並びかけて3/4馬身競り勝ったハクサンムーンは「1完目が遅い分、二の脚が速い」(西園師)という道中加速型の逃げ馬。先陣争いは初動加速型のフォーエバーに一日の長がある。

 スプリンターズSは逃げ馬天国。他の芝1200メートル古馬重賞に大差をつける5割の勝率だ。舞台となる中山の直線には急坂が待ち構えているのに、平たんコースの重賞よりもはるかに逃げ切りが決まる。

 「後ろにロードカナロアがいるから前半に無用な競り合いは避けたい」とはハクサンムーンの主戦・酒井。「後ろは気にしない。たとえ負けても仕方ないと思って逃げる」と腹をくくる村田。直線まで脚を残そうと欲を抱えた逃げと、失速覚悟の無欲の逃げ。出脚も気迫も上回るフォーエバーマークにVロードが開く。

続きを表示

2013年9月25日のニュース