【新潟記念】コスモネモシン 3年7カ月ぶりVで55万馬券演出!

[ 2013年9月2日 06:00 ]

新潟記念を制したコスモネモシン

 夏競馬を締めくくるハンデ重賞「第49回新潟記念」が1日、新潟競馬場で行われ、10番人気コスモネモシンがインから抜け出してV。10年フェアリーS以来、3年7カ月ぶりの白星を挙げた。伏兵のVで3連単は55万円、WIN5は1億円をオーバーした。

【レース結果】

 2万3000人近い観衆の声援が、どよめきへと変わる。懸命に逃げ脚を伸ばすエクスペディションを残り200メートルで捉えたのは…単勝10番人気、3年7カ月も白星から遠ざかっていたコスモネモシンだった。

 松岡の右ムチに応えてジワジワと前に出る。ゴールまで踏ん張りきった瞬間、ムチを手にした鞍上の右腕が上がった。ターフビジョンに浮かび上がった「3連単55万8010円」に場内は再度、どっと沸いた。

 「折り合いが難しい馬。そこを一番気をつけた」。松岡が話す通り、道中は中団インでじっくりとリズムを合わせた。直線、インから馬群をするすると抜け出す脚は際立っていた。アパパネ世代の6歳牝馬。松岡は、そのアパパネが勝った11年ヴィクトリアマイル(11着)以来、2年3カ月ぶりのコンビ復活だった。「もともと能力は高いと思っていた。体の柔らかさなど、いい意味で変わっていなかった」。近走は見せ場なく敗れるレースが続いたが、いい意味で鞍上に先入観はなかった。「この勝利がいいきっかけになれば」と喜び、「俺の天才騎乗!!」と最高の笑み。ただ、「こういうのが良くないんだよねえ」と、頭をかき、笑いを誘った。

 清水英師も大声を張り上げて愛馬を後押しした。開口一番「信じる者は救われる、だね」。そして「馬場が渋っていた(やや重)こと。ハンデ52キロと恵まれたこと。折り合いがついたこと。ジョッキーがうまく乗ってくれたこと。全てがうまくいった」と振り返った。

 8月25日の平地コースでの追い切りで馬場入りを40分もごねた。ならば仕方ないと、28日の最終追いでは坂路調教へと切り替えた。意外にも、すんなり馬場入り。ネモシンの繊細な気持ちが、ここでうまく切り替わったのかもしれない。「難しいところを本当によくやってくれた」。師はスタッフに感謝した。

 夏は牝馬と言う。4頭出走した牝馬で最も人気がない馬が勝つのだから競馬は面白い。「もうひと花咲かせてあげたい」。秋競馬。師の言葉が大舞台で現実になるかもしれない。

 ◆コスモネモシン 父ゼンノロブロイ 母デュプレ(母の父シングスピール) 美浦・清水英厩舎所属 馬主・ビッグレッドファーム 生産者・北海道様似町富田恭司氏 戦績29戦3勝 総獲得賞金1億9712万4000円。

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2013年9月2日のニュース