【関屋記念】レッドスパーダ3年半ぶり重賞V!歴代5番目のブランク

[ 2013年8月12日 06:00 ]

3年半ぶりに重賞勝利のレッドスパーダ

 長い休養の先に真夏の美酒が待っていた。「第48回関屋記念」が11日、新潟競馬場で行われた。4番人気レッドスパーダが2番手から抜け出して完勝。10年東京新聞杯以来、3年6カ月ぶりの重賞制覇を飾った。また手綱をとった北村宏司(33)にとっては区切りのJRA重賞20勝目となった。

【レース結果】

 長い休養を繰り返しても闘争心は失っていない。ラスト2F標識から先頭に立ったレッドスパーダが540キロの巨体を伸ばして、粘りに粘る。両目には気を抜かせないため、前走・パラダイスS(1着)以降、装着しているブリンカー。外からジャスタウェイ、内からレオアクティブの蹄音が近づくと、ハミをかみしめて突き放した。

 「外回りで直線が長いので追い出しを我慢した。ブリンカーで最後にひと踏ん張りしてくれた」と振り返る北村宏。レース前には逃げと2番手追走をそれぞれ頭に描いていたというが、ナンシーシャインの2番手で完璧に折り合わせ、659メートルの日本一長い直線を乗り切った。

 「猛暑の中、スタッフが苦労して仕上げてくれたので頑張るしかないですよ」。大粒の汗を拭いながら、こう続けた同騎手の傍らで担当の手島厩務員が言葉をつなぐ。「苦労なんて…そんな…。自慢話をするようなことは何もしてないよ」。かつてバブルガムフェロー、タイキブリザードなど藤沢和厩舎のG1ウイナーも担当した腕利きはしきりに照れ笑いを浮かべながら優勝手綱を引いた。

 4歳の1月に東京新聞杯で重賞初制覇を飾ってから2度目の美酒を味わうまで3年半。長い道のりだった。大型馬にとっては職業病ともいえる脚部不安で4歳春から10カ月、5歳冬から1年余の長期休養。働き盛りの5歳春には喉の手術で戦列を8カ月離れている。それでも辛抱強く体調が整うのを待ち続けた。重賞の勝利間隔は歴代5番目となる長さ。「7歳のベテランでもレース数をこなしていないので頑張れるんです」と北村宏は出張厩舎へ引き揚げる勇姿に頼もしげな視線を送った。

 藤沢和師にとっては01、02年のマグナーテンに続く関屋記念最多の3勝目。2歳の管理馬キミノナハセンターの初陣に立ち合うため函館競馬場からテレビ映像で7歳馬の復活Vを見届けた。「暑さは不得手な馬なのに強いレースをしてくれた。本当に偉い!タイキシャトルの子供で勝てたのもうれしかった」と喜びをかみしめる。今後は放牧を挟んで毎日王冠(10月6日、東京)へ。長いブランクを克服した重賞Vゴールの先にはG1戦線が待っている。

 ◆レッドスパーダ 父タイキシャトル 母バービキャット(母の父ストームキャット)牡7歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・(株)東京ホースレーシング 生産者・北海道日高町下河辺牧場 戦績20戦6勝 総獲得賞金2億6251万2000円。

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