ジェンティル凱旋門賞断念「理由?前走負けたから」秋は国内専念

[ 2013年7月9日 06:00 ]

宝塚記念3着のジェンティルドンナ(右)の凱旋門賞回避が決まった

 ジェンティル、凱旋門賞断念――。昨年の年度代表馬ジェンティルドンナ(牝4=石坂)がプランのあった凱旋門賞(10月6日、フランス・ロンシャン)に出走せず、秋は国内戦に専念することになった。石坂正師(62)が8日、明らかにした。天皇賞・秋(10月27日、東京)からジャパンC(11月24日、東京)を予定。同馬は1番人気に推された宝塚記念で3着に敗れ、今後の動向が注目されていた。

 セレクトセールの会場を訪れていた石坂師は、比較的サバサバした表情でジェンティルドンナの国内専念を明言した。「オーナーサイドと話し合った結果、凱旋門賞には行きません。理由?前走で負けたからです」。4歳3強対決が注目された宝塚記念は1番人気に推されたが、同期のゴールドシップに屈して3着。結果を出せなかったことで、秋の世界的大一番を断念することとなった。これで今年の凱旋門賞出走を予定する日本馬はオルフェーヴル(牡5=池江)とキズナ(牡3=佐々木)の2頭となった。

 ジェンティルは昨年、牝馬3冠を達成。ジャパンCでは、し烈な追い比べの末にオルフェーヴルを退け、年度代表馬に選出された。今年は凱旋門賞挑戦を見据え、ドバイ遠征で始動。ドバイシーマクラシックは2着に敗れたとはいえ、鞍上の岩田は「世界に通用するという手応えはつかめた」と収穫を口にしていた。「あのオルフェーヴルに勝った牝馬」として既に世界的に有名で、英国のブックメーカー(賭け業者)は今年の凱旋門賞の同馬に13~17倍程度の前売り単勝オッズを設定していた。

 同馬は現在、滋賀県のノーザンファームしがらきで放牧中。師は「秋は天皇賞・秋とジャパンCを使う。有馬記念はまだ分からない」と話し、前哨戦については「ローテーションがなかなか難しい」と天皇賞・秋に直行する可能性も示唆した。天皇賞・秋とジャパンCが行われる東京は、ジェンティルが最も強烈なパフォーマンスを見せてきたコース。世界制覇の夢は持ち越しとなったが、得意の舞台で再度の牡馬斬りに挑む。

 ▼ジェンティル宝塚3着VTR ドバイシーマクラシック2着以来、3カ月ぶりの実戦も、単勝2.4倍の1番人気。やや発汗が目立ち、道中は3番手の好位を進んだが力みが見られた。残り3F、ゴールドシップの仕掛けに応じて追い出したが伸びはジリジリ。2番手からインで踏ん張ったダノンバラードをかわせず3着に終わった。

続きを表示

2013年7月9日のニュース