【マイラーズC】“中年の星”シルポート V3へ今年も逃げ切りだ!

[ 2013年4月17日 06:00 ]

シルポートは食べて、逃げて同一重賞3連覇を狙う

 今年もこの馬の逃げ切りだ。京都開幕週のメーンは安田記念をにらむ「マイラーズC」(21日)。2年連続で、このレース(11年は阪神開催)を逃げ切りで制したシルポートに、今年も勝負気配が漂う。8歳を迎えても食欲旺盛で、肉体的な衰えは皆無。走る気に満ちあふれた“中年の星”が、今年も逃げ切ってみせる。

【マイラーズC】

 シルポートに迷いはない。今回も自慢のスピードを生かして逃走するのみだ。西園師から当然のように“大逃げ宣言”が飛び出した。「3連覇を目指して、後ろを離して逃げる。ディフェンディング・チャンピオンとして結果を出したい」

 今年初戦の中山記念も大逃げを打った。残り600メートルで2番手のダイワファルコンとは1秒8差。ゴール前では後続が殺到したが、タイム差なしの3着に踏ん張った。8歳になっても衰えは、みじんも感じさせない。愛馬の熱い走りに57歳の指揮官も最敬礼だ。「中年の星として実に共感するよ。年を取っても血気盛んだし、前走の行きっぷりも良かった」

 その源はいったい何なのか。西園師は「競馬の世界に40年以上もいるが、こんなに食に貪欲な馬は見たことない」と驚がくする。答えは“食欲”にあるようだ。「普段はおとなしいが、洗い場で手入れが終わると、びっくりするくらい、よだれを垂らす。食に対する執着心が半端じゃない」

 食べるために走る。走れば、また食べられる。シルポートは、このことを十分に分かっている。3連覇がかかる、このレースも食欲を満たすために走る。

 ちなみにカイバは、エン麦を基本にフスマ、青草、干し草、穀類、塩などを馬の体調に応じて混ぜて作る。帰厩直後、調教が進んだ後、レース前、競馬の後では当然、カイバの中身も異なり、このあたりが各厩務員の腕の見せどころ。同じメニューばかりでは馬も飽きるわけで、シルポート担当の松尾助手は、カイバメニューを日々、工夫しているということだろう。

 無心に逃げる。そうすれば、ごちそうにありつける。“中年の星”は今年も、ただひたむきに逃げ、開幕週の淀のターフを沸かす。

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2013年4月17日のニュース