福山競馬、63年の歴史にピリオド ファン1万人がさようなら

[ 2013年3月25日 06:00 ]

最後のレースが開催された福山競馬場で声援を送るファン

 中国地方に唯一残っていた広島県の「福山市営競馬」が24日、最後の12競走を行い、63年の歴史に幕を下ろした。最終日は名残を惜しむ約1万人のファンが来場し、開門を30分早めたほどの盛況ぶり。場内のあちこちから廃止を惜しむ声が上がっていた。

 福山競馬場は戦後復興の財源確保のため1949年に開場。80年代にはアラブ馬最強といわれたローゼンホーマなど全国区の強豪を輩出した。最盛期の91年には約345億円の売り上げがあったが、長引く不況などで売り上げは激減。99年度に初めて単年度赤字に転落。近年は最盛期の4分の1に落ち込み、累積赤字額は約19億円に上っていた。

 最終レース終了後に行われたセレモニーでは、所属騎手が一人ずつファンにあいさつ。所属騎手は黒川知弘騎手会長、岡崎準ら5人が引退を表明。三村展久、楢崎功祐、佐原秀泰は南関東へ、紅一点の下村瑠衣は高知へ移籍予定。所属先未定のほかの7人も、他場で現役続行の予定だ。最後にあいさつに立った黒川は「皆さんに応援していただきありがとうございました。ここで騎乗できたことをうれしく思っています」と締めくくった。

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2013年3月25日のニュース