福山競馬 63年の歴史に幕、ラストランに1万人声援

[ 2013年3月24日 19:35 ]

 中国地方に唯一残っていた地方競馬「福山市営競馬」(広島県福山市)で24日、最後のレースが開催され、63年の歴史に幕が下りた。集まったファンからは廃止を惜しむ声が上がった。

 戦後復興の財源を確保するため、1949年9月から始まった。最盛期は年間345億円の売り上げがあったが、近年は最盛期の4分の1に落ち込み、累積赤字は18億円以上に。羽田皓市長が昨年11月に廃止を表明した。

 この日は、全12レースが開催され、約1万人が声援を送った。最終レース後に開かれたセレモニーで、羽田市長は「市民や全国のファンに支えられたことに感謝したい」とあいさつ。満員のスタンドからは「何でやめるんだ」「もっとやろう」と悲鳴にも似た声が上がった。

 地方競馬ファンという高松市の自営業近井弘文さん(42)は「一緒に見ると、初対面の人とでも仲良くなれるのが魅力」。2人の子どもを連れてきた福山市の堂脇恵理さんは「4歳の長男にせがまれて3年前から通っていた。地元で見られなくなって寂しい」と話した。

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2013年3月24日のニュース